お酒は自己責任で飲むものですが、やはり「人に迷惑をかけない」「人を死なせない」為には、監視役や介抱係の存在は必要不可欠です。
「飲み会の雰囲気は好きだけど、毎回ひどい状態になるのは見ていられない」「お酒が飲めない自分が他の人の代わりに出来ることはないか?」という場合、飲み会の監視役や介抱役を務めてみるのはいかがでしょうか。
一見すると損な役回りかもしれませんが「人の醜態を見ずに済む」「自分の醜態を晒さずに済む」「飲み会が楽しく過ごせる」という自他ともにメリットがあります。
お酒に酔いにくくする方法はこちら。
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事前に用意しておくと良い物
飲み会に参加する前に、万が一に備えて用意しておくと良い物をまとめました。
基本的に飲み会の中盤~終わりにかけて役立ちます。また近くのコンビニやドラックストア、トイレの場所をチェックしておくと良いです。
- ひざ掛け、ストール……寝ている人の保温に使う
- ポリ袋、ティッシュペーパー……嘔吐対策
- ミニタオル……水で濡らしておしぼり代わりに使う
- お茶または水……飲み会終わりの口直し
- 栄養ドリンク、胃腸薬、サプリメント(ビタミンB群、ビタミンC、亜鉛など)……飲み過ぎ、二日酔い対策
周りに「自分が介抱役」と宣言しておく
飲み会が始まる前に「自分が介抱役」と宣言しておくと良いことが4つあります。
- 周囲が「介抱役に迷惑がかけられない」と飲む量をセーブしてくれる。
- 介抱役を理由として、自分がお酒を飲む機会を減らせる。
- 飲み会に安心感が与えられる。
- 他の人からの好感度が上がる。
飲み会に参加している人は、誰もが「楽しい気分で過ごしたい」と思っているはずなので、常識的に考えれば一人に迷惑がかかる行為を控えてくれるはずです。
「酔って危険」なサインを見逃さない
酔っぱらいに「大丈夫?」と声をかけても「大丈夫」としか返ってこないので、相手の状態で酔い加減を見極めます。
人によってアルコールに強い弱いがあるので、飲んでいるお酒の量だけで判断せず「これ以上は危険だな」と思うような症状が出た場合は、早めにストップをかけます。
【爽快期】
さわやかな気分になる、皮膚が赤くなる、陽気になる、判断力が少しにぶる
【ほろ酔い期】
手の動きが活発になる、抑制がとれる(理性が失われる)、体温が上がる、脈が速くなる
【酩酊初期】
気が大きくなる、大声でがなりたてる、怒りっぽくなる、立てばふらつく
【酩酊期】
千鳥足になる、何度も同じことをしゃべる、呼吸が速くなる、吐き気・おう吐がおこる
【泥酔期】
まともに立てない、意識がはっきりしない、言語がめちゃめちゃになる
【昏睡期】
揺り動かしても置きない、大小便が垂れ流しになる、呼吸はゆっくりと浅くなる
一般的に楽しくお酒が飲めるのは「爽快期」「ほろ酔い期」まで。
「昏睡期=急性アルコール中毒の症状」で死亡する可能性が非常に高いので、自分の手に負えないと悟った時は、すぐに救急車を呼びましょう。
適度にソフトドリンクと食事を挟ませる
「お酒、お酒、お酒とお酒、それからお酒」とお酒ばかり飲んでいると、どうしてもアルコールの摂取量が多くなり、酔わせやすくなります。
ノンアルコール飲料を飲ませることで「血中のアルコール濃度を下げられる」「吐く時に吐きやすくなる」というメリットがあります。また無理にお酒を飲ませようとしている人がいる場合、自分がソフトドリンクを頼むことで、アルコールハラスメントも防止できます。
特に空腹状態でお酒を飲むと酔いが回りやすくなるので、飲みがメインでも食事はしっかり取りましょう。お酒自体が高カロリーで糖分が多いので「低カロリー、高タンパク」なおつまみを選びます。またアルコールの分解を促進するビタミンB1やビタミンCを多く含む食品を積極的に取ることも大切です。
- ビタミンB1……豚肉(焼き豚、ハム、ベーコンなど)やうなぎ、玄米、レバー、大豆製品など
- ビタミンC……野菜、果物など
逆に避けたいのが、お酒をぐいぐい進ませる「塩気のあるもの、酒の肴」と、肝臓に負担をかける「脂っこい」ものです。
酔って具合が悪い時は「身体を揺らさない、まずは冷やす」
酔いが回ってくると、頭や身体がクラクラして大変な状態になっているので、身体を揺さぶるのはNGです。壁にもたれさせたり、横に寝かせたりして、身体が倒れこまないようにします。
また「酔っている=体温が高い」状態なので、おしぼりを首もとや額に当てたり、氷の入った水を飲ませたりしてクールダウンさせるのも効果的です。
身体の熱を素早く逃す為に、酔った人に胸元のボタンを外したり、服を緩めたりするアドバイスをしておきます。
一度店外に連れ出す
飲み会の席にいると、どうしてもお酒を飲んでしまうので「これ以上、飲み会の席にいるとマズい」と思った時は、周囲の人と店員さんに一言伝えてから、酔った人を外に連れ出します。
外の空気に触れるだけでも酔い覚ましの効果があり、近くにドラックストアやコンビニがあればお茶やミネラルウォーター、スポーツドリンク、栄養ドリンク、胃腸薬を買うことも可能です。
また「気持ち悪くて吐きたい」という場合、小さいお店でトイレが一つしかない場合だと、長時間トイレを占領するのは迷惑をかけるので、
一度外に連れ出すと飲み会の途中でも帰りやすくなるので、酔った人が「このまま飲み会にいると、飲まされそう。危ない目にあいそう」と思っている時のスムーズに帰らせる手伝いにもなります。
寝かせる時は「回復体位」
アルコールによる死亡原因には嘔吐物による「窒息死」が多くの割合を占めています。
酔って寝こんでいる人がいる時は、仰向けやうつ伏せではなく、必ず横向きにして寝かせます。
できれば「回復体位」の状態を取らせることで、突発的に仰向けやうつ伏せになるのを防止します。
【回復体位の手順】
1.仰向きに寝かせた人の下側の腕を前に伸ばす。上側の腕を曲げて、手の甲に頭を乗せる。
2.上側の膝を直角に曲げて、体勢を安定させる。
右と左、どちらを向かせても特に問題はありません。
可能であればベルトを外すなど、衣服をゆるめて楽な格好にしておくと良いです。
また次第に酔いが冷めてくると、体温が徐々に下がっていくので、コートや上着、ひざ掛けなどをかけておくと保温ができます。
酔いが冷めてきたら飲み物を飲ませる
アルコールの分解で体内のビタミンCが大量に使われているので、オレンジジュースやグレープフルーツジュース、アセロラジュースなどビタミンCが多いソフトドリンク、烏龍茶や冷たい水など、口をさっぱりさせる飲み物を飲ませます。
「酔いが覚めたから」と、再びお酒を飲もうとした時は全力で止めましょう。
酔いつぶれた人の様子を定期的に見る
酔いつぶれた人が出た場合「まぁ何とかなるだろう」「誰かが面倒を見てくれる」と放置しておくのは非常に危険です。
「酔って寝ている」と「急性アルコール中毒で死にかけている」という状態は見た目では分かりにくいので、定期的に様子を見るようにします。
話しかけても返事をしなかったり、揺すって反応がなかったりした場合は、急性アルコール中毒の可能性が非常に高いです。
急性アルコール中毒の処置は素人では限界があるので、一刻も早く救急車を呼びましょう。救急車が到着するまでは、回復体位を取らせて気道の確保をしたり、保温をして体温の低下を防いだりします。
帰宅させるまでが介抱役
泥酔状態の人を一人で帰らせると、転落、転倒、交通事故、その他身の危険性があるので、なるべく最後まで付き添うのが良いです。
理想的なのはタクシーに同伴して部屋に入るまで見送ることですが、そこまでする必要性を感じなければ、タクシーや公共交通機関などで周りに迷惑をかけないよう、ポリ袋(嘔吐した時用)やノンアルコール飲料(水や栄養ドリンクなど)を持たせておきます。
「帰宅したら自分に連絡するように」と伝えて、無事に家に帰ったことが分かった時に介抱役の役目が終わります。
最後に
他の人やお店に迷惑をかけない為に、また酔った人が危険な状態(最悪の場合は死)にならない為にも、飲み会には1人以上(できれば男女2人以上)の監視役・介抱役がいると安心です。
幹事が介抱役まで兼任すると、一人の負担が大きくなるので、なるべく分担するようにしましょう。それでは楽しい時間を過ごしてみて下さい。
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(書いた人:昼時かをる)