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5年で8,000人の個人事業主を育成!格安マッサージ「りらく」の驚くべきビジネスモデル

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りらく」という格安マッサージ屋さんをご存知でしょうか?
当時、マッサージといえば60分6,000円程度が相場でしたが、「りらく」は60分2,980円というマッサージ業界の価格破壊を起こして成功した会社です。

りらくのビジネスモデルは非常に面白いです。
驚くほどのスピードで成功を切り開いた好例なので、ご紹介します。

創業3年半で大成功!一体何をやったのか?

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最近、街のマッサージ屋さんがとても増えたと感じます。しかし、格安マッサージの「りらく」は他社を圧倒的にリードするスピードで、大成功を収めました。

創業してから3年半で一体何をやったのか?
そのまとめがこちら。

2009年4月:大阪に1号店オープン
2010年1月:株式会社りらくを設立
2013年5月:250店舗達成
2013年8月:投資ファンドに会社ごと売却
2014年8月:350店舗達成
現在:全国に380店舗以上を展開

創業してすぐに、年間約100店舗のペースで怒涛の出店を行い、3年8ヶ月で投資ファンドに会社ごと売却、創業者は(おそらく億単位の)資金を回収し、現在もファンド傘下で経営を続けています。

本来なら、個人でリラクゼーションサロンを1店舗経営していくだけでも大変なはずです。しかし、りらくはこれまでになかった経営手法で、創業してから約5年で全国に380店舗以上を構えるリラクゼーションサロンに成長しました。

譲渡先は、アドバンテッジパートナーズという投資ファンドです。
参照:AP37による株式会社りらく株式の譲受に関する合意のお知らせ(PDFが開きます)

気になる業績は?

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これだけのスピード出店をしていると、先行投資がかさんで業績は赤字ということも少なくありません。しかし、株式会社りらくは少なくとも2013年12月の時点では黒字化しています

2013年時点での売上規模は約85億円、利益は約6億円
資本金が500万円であることからも、恐らくアドバンテッジへの売却以前の株主は創業者数名のみだと予想できます。アドバンテッジパートナーズへの譲渡額は非開示となっていますが、会社設立時に創業者が出資した500万円が、3年8ヶ月でそれなりの金額に化けたことは、容易に想像できます、これはすごい。。。

アイデア、戦略、そして成功へ」。
りらくが創業後、約3年半でおこなってきたことは、リラクゼーションサロンという以前から存在していたビジネスであるにも関わらず、これまでになかったアイデアで大成功を収めたお手本のような例だと思います。

ちなみに、創業者であり現在もりらくの代表を務めている小泉智史社長は、私と同じ昭和58年生まれの31歳です。(同年代が活躍してるとすごく刺激になります)
また、下記に共同創業者であり現在は会長兼CEOを務める竹之内教博会長のインタビューが載っています。(竹之内会長もまだ若干38歳の若さです)

参照:LEADER’S VISION

インタビューで竹之内会長はこのように答えています。

「目標と結果がすべてだと言い聞かせています。自分の頭でしっかりと論理的に考えられることがとても重要ですね。対価をもたらす対象から、自分は何を求められているのか、それをきちんと自分で考えて行動に移せるかどうかということが、大事なことではないかなと思います」

対価をもたらす対象(例えばお客さんであったり自分が雇われている会社であったり)から、自分は何を求められているのかを考える
非常に参考になる言葉だと思います。

5年で8,000人の個人事業主を輩出した驚異のビジネスモデル

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なぜこのようなスピード出店ができるのか。「りらく」ならではのビジネスモデル調べていくと、非常に興味深い経営手法が採用されていることがわかります。

りらくでは、社員を雇わず個人事業主(個人のマッサージ師)に業務委託をする形をとっているんです。それも、ただ個人事業主を募集するのではなくて、全くの素人を自ら育成してプロのマッサージ師に育てあげます。(約7割が未経験者の採用とのこと)

つまり、「りらくに行けば素人のあなたも、たった2週間で自営業者、独立開業できますよ。」ということです。。。りらくでは、これまでに8,000人以上の個人事業マッサージ師と業務委託を結んでいます。もちろんその多くは、りらくが自ら育てたマッサージ師です。

まず、りらくの従業員数は164名しかいません。
仮に1店舗に5人のマッサージ師がいたとしても、380店舗もの運営となると、1,900人を雇用しなくてはなりません。しかし、実際のマッサージサービスは個人事業者がおこなうため、従業員が164人しかいなくても、380店舗を管理することが可能なのです。

もう一つ、りらくの事業内容は「リラクゼーションスペースの運営」となっています。顧客に対して施術をするのが事業内容ではなく、個人のマッサージ師に対して「場所貸し」をするのが、りらくの事業内容です。

セラピスト育成センターでプロを育成

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りらくは、店舗以外にも、全国に「セラピスト育成センター」を設けています。ここでは、プロのマッサージ講師が未経験の方に対して、マッサージの指導を行います。つまり、りらくで働く前の「無料研修制度」が用意されているのです。

これまで一切経験がなくても、セラピスト育成センターで70時間の研修を受けて、マッサージテクニックを伝授してもらえます。この、「70時間」という時間ですが、早ければ2週間ぐらい、普通の人で3週間、遅くとも1ヶ月程度で終わる研修です。

私が以前担当してもらったりらくのスタッフによると、「まったくの素人から2週間の講習を受けて、即効で現場に放り出される」とのこと。。

また、りらくではないサロンでマッサージ師をしている私の友人によると、「りらくw 私のほうがりらくの1,000倍は上手いわw」とのこと。。。そりゃ2週間でプロとは言いがたいですからね。。

りらくに限ったことではないですが、マッサージの基礎は大体1週間ぐらいで身につくらしいです。あとは、実際に現場でお客さんを獲得しながら、自分で技術を磨いていきます。りらくでは、「指名制度」も採用しており、公式サイトに「指名ランキング」が載っていたり、指名が取れると基本給に加えて、若干の報奨ももらえます。

参照:セラピスト研修について

完全歩合で経営のリスクを低減

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「場所貸し」のりらくと、「施術を行う」マッサージ師は、業務委託契約を結びます。

りらくからベッドのスペースを借りて各個人が営業しているような感覚です。スタッフは全員毎年確定申告によって税金を納めることが必要ですので、働く際には開業届けを出していただきますようお手伝い致します。

ということで、研修を終えたら即現場に出され、開業届を出して自営業者になるわけです。もちろん、社会保険もありませんし、確定申告も自分でやる必要があります。ただ、その辺のことは、育成センターでキチンとサポートする体制を作っています。

おそらくりらくは、「日本で一番開業届を出させた会社」なのではないでしょうか。

また、セラピストは業務委託契約という形をとっているため、アルバイトやパート採用とは異なり、1時間の施術で1848円の報酬が得られ、空いている時間はご自由に過ごせます。
そのため、フリーターや子育てママさん、元会社員の方など前職や働くきっかけを問わず様々な方がセラピストとして、全国8000名以上活躍中しております。
安定した仕事量があるので、固定制で沢山稼ぐ事や空いているを時間を活かして登録制で稼ぐ事も、働き方はあなた次第です!

基本的なオペレーションは以下のような感じ。

①本社がシフトの空き枠を「時間枠に対する発注」という形で募集する

②セラピスト(個人事業主)が自分のスケジュールに合わせてシフトを入れる

③出勤時間内に施術した分だけ報酬が支払われる『完全歩合制

報酬は完全歩合制なので、当然、出勤時間にお客さんが一人もこなかったら、給料は0円です。りらくでは、スタッフへの報酬を1,848円~2,048円(60分)としています。お客さんが支払う3,000円(60分)のうち、3分の2をスタッフに、残り3分の1を場所代としてりらくが受け取る仕組み。分配割合も悪くなさそうです。

1日8時間で8人のお客さんを取ったら、日給15,000円ぐらいになりますね。もちろん、フル稼働を前提にしていることや、ここからさらに自分で確定申告をして所得税を収める必要はありますが。

参照:セラピスト募集情報

では、実際にりらくでセラピストとして働いて儲かるの?ということですが、ここは掲示板2ちゃんねるの力を借りて、調べてみました。

982 :名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/20(月) 11:29:35.28
皆さんに質問です
1日8時間週5日働くと、どれ位の収入になりますか?
もちろん、店舗や技術的にひらきがあるかと思いますが教えて下さい

983 :名無しさん@お腹いっぱい。:2014/01/20(月) 11:37:46.13 ID:???
18万くらいかな。
夏場の繁忙期は25万いったけど。

自分が働く店舗の客入りにもよりますが、普通に働くとそれなりに稼げるみたいです。

給料が0円だとツライですが、業務委託で働くメリットは大きいです。例えば、将来、マッサージ師としての独立開業を目指せることももちろんですが、マッサージの仕事でお金を稼ぎながら、お客さんがこない時は自分が目指す資格取得の勉強をする、といった「スキマ時間の活用」ができます。また、勤務もシフト制で自由出勤なので、融通がききやすいと思います。

もし今私がニートだったら、「りらくで働きながら勉強したり、起業の準備をすると思う」というぐらい、この形態はやりやすい。りらくは基本的に、小規模な店舗が多いことや、「全員が個人事業主」という同じ立場であるがゆえに、職場での上下関係がない(というより全員が同業仲間であり、全員がライバル)ので、働く環境としても良いと思います。

逆に、運営側は積極的に出店して、仮にお客が入らなくても人件費で赤字になることはありません。お客さんが0人なら、人件費も0円で済むのは業務委託の経営メリットです。

居抜き物件でローコスト出店

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もう一つ、りらくの戦略として面白いのが、出店方法です。りらくは主に郊外のロードサイドを中心に出店しています。また、出店する物件は主に「居抜き物件」、つまり元々マッサージ屋をやっていた店舗をそのまま活用する方針を取っています。

閉店でお悩みのオーナー様へ
「売上不振で賃料の支払いもままならない…」
「思うようにセラピストが集まらない…」
「近くに競合店が開店してしまい売上が激減した…」など
もう店舗を続けていく事が難しいと考えているオーナー様、りらくに任せてみませんか?

とのこと。
もちろん、コンビニ跡や飲食店跡にも出店を行いますが、主な物件対象は「儲からなくて閉店を余儀なくされているマッサージ屋が使っていた物件」です。

居抜き物件を活用することで、ローコストかつスピーディーな店舗展開を可能としています。

参照:物件募集

いかがでしたか?

今回紹介したのは、ひらがなの「りらく」です。類似の会社に東京圏を中心に出店している「リラク(Re.Ra.Ku)」がありますが、こちらの会社はまったく別物です。

「リラク」は主にフランチャイズによる展開を行っているマッサージ屋さんですが、「りらく」は380店舗すべてを直営で運営しています。

※一部サイトで「りらく」はフランチャイズ展開していると書かれていましたが、「リラク」と混同している可能性が高いと思ったので、「りらく」に聞いてみたところ、「全店直営でやっている」とのことでした。

また、前述の竹之内会長のインタビューによると

今後は海外への展開も予定しており、リラクゼーション業界で世界一の企業になる

とのこと。
今後の展開がますます楽しみな会社ですね。

ちなみに私は、月1ペースで「りらく」に通っています。技術力はスタッフによってマチマチで、上手か下手かはわかりませんが、値段を考えると満足度は高いです。

マッサージを受けている間って、マッサージをされる以外にやることがないので、個人的には貴重な思考の時間として使っています。「考えるだけの時間」を作ることはとても大切だと思うのですが、案外つくるのが難しいもの。そこで、定期的に格安マッサージに足を運ぶことで、60分間、頭を整理することだけに時間を使っているという感じです。

格安マッサージのりらく、ビジネスモデルも面白いですが、個人的にもおすすめです。

(書いた人:川原裕也

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