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生産性の向上は99.9%の仕事をきっぱり止めることから始まる

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なぜたった1人の人間が巨大な組織を動かせるのでしょうか?

ソフトバンクの孫正義、Amazonのジェフ・ベゾス、Facebookのマーク・ザッカーバーグ…
彼らも私も何も変わらない、同じ人間です。1日に与えられた時間は24時間です。しかし、小さな会社を経営する私と、大きな組織を動かす彼らには、圧倒的な差があるのは事実です。

私と彼らの決定的な違いは、仕事の密度です。同じ時間働いても、生み出す結果に大きな違いがあります。つまり、私は彼らと比べて圧倒的に仕事ができない奴であり、また私と比べて圧倒的に仕事ができない人間も、世の中にはたくさんいます。

つまり、考える力を持つたった1人の人間は、仕事の生産性と、生み出せる結果をどこまでも大きくすることができます。

では、仕事がデキる奴になるにはどうすればよいか。今日はそのことについて私の考えをまとめます。

99.9%の仕事は必要ない

仕事で圧倒的に結果が出せる人とそうでない人、その差は「本当に必要な仕事だけを集中してやっているか」どうかで決まると思っています。

よく、「業務効率化」や「集中力アップ」に関する情報をネットで見かけますが、真に重要なのは「不要な仕事をしない」。これに尽きます。

そして一番大切なのは、私も含めて世の中の多くの人が「今やっていることは必要な仕事だと思っているという勘違い」にあります。

必要な仕事だけに集中すれば大きな結果が出せるというのは誰でもわかっていることであり、誰がやっても同じ結果になります。大切なことなのでもう一度いいますが、一番大事なのは「目の前の仕事が不要だと自分で気づけるかどうか」です。

仮に100人にアンケートを取ったとして、100人全員が「今やっている仕事でムダなことは一つもない。ぜんぶ必要だ。」と答えるはずですし、私自身もそう答えると思います。

しかし、「仕事の生産性とたった1人の人間が生み出せる結果は、無限に大きくすることができる」と信じれば、今の自分の行動にはまだまだ無数の「不要な仕事」が残っているはずなのです。

あなたが今、絶対に必要と思ってる仕事は、実は必要のない不要なものだ。

これが今日、私が言いたいことです。

デキる人になるための4つの方法

私自身、もともと仕事ができる人間ではありませんでしたし、今でもそれは同じです。しかし、アルバイトなどをしていると必ず1人は「デキる人」がいて、そういった人達から様々なアドバイスをもらってきました。

そして現在、わたしが「仕事がデキる人になるための方法」だと考えているのは次の4つです。

  • 物理的に作業を速くする(肉体的に速くする)
  • 合理的な方法・手順で作業を効率化する(業務効率化)
  • 集中して作業に取り組む(自分が集中できる時間帯を見つける)
  • やること自体を見直す(今日の本題)

どれも大切ですが、上のものほど効果が薄く、下のものほど効果が大きいです。そして上のものほど身体を使い、下のものほど頭を使います。

物理的に作業を速くする

例えばパソコンの仕事をするなら「タイピングの正確さと速さを身につける」ことは、デキる人になるための第一歩と言えます。

ただ、「物理的に作業を速くする」というのは肉体勝負なので、すぐに限界がきますし、それほど他人と差が付けられるわけではありません。

また、物理的に作業を速くしようとするほど、ミスの増加や疲労、労働中の事故に繋がりやすいです。

「お前は仕事が遅い!」と言われてどうして良いかわからない人は、得てしてこの方法を選択してしまいがちです。

そして結局、そういう人が大きなミスを犯したり、疲弊したり、職場で大きな事故を起こしてしまうという悲しい現実があります。物理的な作業スピードを速めることも重要ですが、ほどほどにしておくべきです。

合理的な方法・手順で作業を効率化する

次に、「合理的な方法・手順で作業を効率化する」こと。これは私がバイト時代に上司から学んだことです。いわゆる「業務効率化」と呼ばれるもので、作業の方法や手順を最適化します。

例えば、ダンボールの中に入っているりんごを、もう一つのダンボールに移し替える場合、片手で取って移し替えると遅いですが、両手で掴んで移し替えると2倍の速さで終わります。作業の質を気にしないのであれば、ダンボールごと掴んで流し込めば、一瞬で作業は終わります。

これが業務効率化です。

これまでパソコンでしか返信できなかったメールを、アプリを使ってスマホでも返信できるようにするというのも、作業の効率化に類します。

つまり、スマートな方法で作業しましょうということですね。

集中して作業に取り組む

基本的に労働時間は8時間ですが、8時間ずっと集中していられる人間はほんの一部です。なので、集中できる短時間に全力で仕事に取り組むことが最も大きな結果に結びつきます。

ダラダラ8時間やるよりも、1時間だけでも良いので、120%集中して取り組む方が良い仕事ができるのです。

この記事なんかは参考になります。
http://cards.hateblo.jp/entry/worktime-is-limited/cards.hateblo.jp

「作業の集中」については、まずは自分が集中できる時間帯を見つけることが大切だと思っています。私の場合は、起きてから時間が経つほど集中力が低下するので、最近は朝に集中して仕事をするようにして、眠くなったら20分睡眠をとってリフレッシュしています。

blog.qooton.co.jp

ジャーナリストの佐々木俊尚さんもこのように言っています。

常にアテンションを高め続けるのは不可能ですから、アテンションが高まっている時間帯とリラックスしたい時間帯を上手く波に乗せる方が効率がよくなるということです。

やること自体を見直す

これは前述の通りですね。
作業そのものを効率的にするよりも、不要なことをきっぱりとやめてしまう勇気と、不要なことを見つけ出す能力が何よりも重要だということです。

成長した自社事業を売却するGE

かの有名なゼネラル・エレクトリック(GE)は定期的に自社の事業を売却することで成長してきた企業です。業界でナンバーワンかナンバーツーになれない事業は売却もしくは撤退することを基本方針としています。

GEは最近でも金融事業を売却することを決定し、話題となりました。(参照:GE ー捨てる改革ー

GEの元社長「ジャック・ウェルチ」はこのように言っています。

生産性とはぼろきれを絞ることではない。生産性とは、どんなことも改善の余地が無限にあるという信念そのものだ

知恵に限界はない。だから、無理に思えても、知恵を出すことで改善はいくらでもできるというのが真意だった。大切なのは、「限界はない」と信じることなのだ

誰かが「私は週90時間も働かされています」と言ってきたら、というたとえ話で、こう応じている。「私ならこう答えるね。『それは君、何かとんでもない間違いをしているんだ。どんな仕事をしたら90時間になってしまったのか、20項目にまとめてみなさい。そのうち半分は意味のない仕事だろう』と」

そして、もしすべてが意味のある仕事だとしたら、他の人に仕事の半分を任せるべきだと言っている。

だが、彼らが数字やデータをいじり回したり、1年もかけてぶ厚い報告書をつくったりする場合は、「時間ばかり取られ、金がかかる。その上、必要がない」と切り捨てる

書籍「1分間ジャック・ウェルチ」より。

生産性とは、どんなことも改善の余地が無限にあるという信念そのもの。

知恵に限界はない。

私自身、常に頭に入れておきたい言葉です。

クートンは8時間で結果を出すノマド体制に移行しています

クートンでも、今年から少しずつ「在宅勤務」をスタートしています。(その模様はノマドワーカー、はじめました。で取り上げています。)

在宅勤務で難しくなるのが「社員の管理」です。例えば、社員が寝坊をしても、旅行に行っていても、勤務中にYoutubeを見ていてもわかりません。

なので、管理すること自体をやめて、必然的に「在宅勤務 = 結果にフォーカス」することになります。というか、こうせざるを得ませんでした。

サボっていようが何をしていようが、結果で証明することを重視するというものです。

しかし、結果主義になってしまうといつの間にか数字に追われ「残業」をし始めてしまうのが普通です。実際問題として、残業代が出ないのに残業している会社員の方ってとても多いと思います。

そこで、「結果重視」の前提条件として「絶対に残業をしない」ことを最重要視することにしました。

残業はルール違反、8時間でいかに結果を出すかが勝負であり、その勝負に勝つためには労働生産性を高める他ありません。

実際、アパレルネット通販の「ZOZO TOWN」を運営するスタートトゥデイという会社は、6時間労働で増収増益を続けている上場企業です。

時間は有限、生産性の改善余地は無限と考えれば、大切なことはおのずと見えてきます。

私はかつて、「残業をすると解雇するぞ」と話したことがある。そういうと、幹部社員は、「そこまでやったらかわいそうだ」と反論してきた。そこで私は、「残業をしたいのは君たちの勝手だが、残業をするなら、そのときかかった電気代を、残業した人間が負担してくれ」といった。するとその後はだれも残業しなくなった。

これは「日本一休みが多い会社」である未来工業の創業者、山田昭男氏の言葉。

自分がやるべき仕事のステージは変わる

仕事を続けていくと、会社の状態も、自分の状態も変わります。会社も人も成長します。

そのような中で、自分がやるべき仕事のステージも常に変化してくると思います。昔は必要だった仕事も、段階的に不必要になってくる。例えば、ユニクロの柳井正社長ですら、最初期の頃は店頭に立って服を売っていた時期があるということです。

また、外部環境の変化によっても、これまで必要だったことが不要になってきます。これまで定期的に必要だった作業が自動化によって不要になったり、必要だった分析が、いまはそのデータがもう重要でなくなっていたり。

結局は、常に今自分が取り組んでいることの中から、不要なものを「自分自身で見つけられるか?」が、デキる人になるかどうかを決定づける要因だと思います。

こんなことを書いていてなんですが、私自身もまだまだ、まったくデキない人間です。しかし、知恵と生産性に限界はないのです。

そこで、私は3ヶ月ごとに自分の仕事を1つ捨ててみることにしました。まずは、定期的に仕事を「捨てる・辞める」ことを習慣づけることが大切だと思ったからです。

GEとて、儲かっている金融事業を売却する決断をするのには多大なる勇気が必要だったはずです。

6ヶ月ごとでも1年ごとでも良いので、定期的に自分の仕事を見つめなおして、何か1つでも完全にやめる習慣を身に付ければ、ダメになりそうに見えて、逆に生産性が向上し、良い結果がでるかもしれません。

みなさんも一度、今の仕事を見つめなおしてみてはいかがでしょうか?

(書いた人:川原裕也

今日の経営