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確定拠出年金(401K)の個人型・企業型の比較とメリットやデメリットについて

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確定拠出年金(401K)を選んだ時に勉強したことをまとめます。

先日、確定拠出年金(401K)に申し込みました。これまで、確定拠出年金はノーマークだったのですが、私のような自営業者にとっても、一般のサラリーマンにとっても、節税策の一つとして使えることを知って、私も今年から始めることにしました。

まったく知識がなかったので、確定拠出年金ってなんなの?というところからスタートして、自分なりに色々と研究しました。

  • 確定拠出年金とは一体何なのか?
  • どういったメリット・デメリットがあるのか?
  • どこの確定拠出年金を選ぶべきか?
  • 個人型と企業型の違い

これら4つについてまとめたいと思います。

確定拠出年金とは一体何なのか?

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確定拠出年金の大きなポイントは、次の4つです。

①呼び方はさまざま
確定拠出年金には、さまざまな呼び方があります。「DC」とか「401K」はすべて同じ「確定拠出年金」のことを指します。(細かく定義すると意味が異なるのかもしれませんが)

②積立型の年金である
国民年金保険や厚生年金保険と同じく、老後に備えるためのものです。毎月コツコツとお金を積み立てていき、60歳を過ぎると積み立てたお金を受け取ることができます。

確定拠出年金への加入は任意で、毎月の積立額も自分で決めることができます。たくさん積み立てるほど、将来の受け取り額も大きくなるということです。

③運用先を自分で選択できる
国に預ける国民年金や厚生年金は、そのまま現金として保管されるわけではなく、年金積立金管理運用独立行政法人(通称:GPIF)を通じて運用されます。

確定拠出年金も同じく、積み立てたお金を運用するのですが、その運用先は自分で決定することができます。例えば、ハイリスク・ハイリターンな運用先を選んだ場合、積み立て総額に対して、将来の受取額が大きくなる可能性がある一方で、運用に失敗すると受取額が減ってしまう可能性があります。

ローリスク・ローリターンな運用先を選べば、積み立て総額に対して、運用分が少し上乗せされて支払われる可能性が高いです。いずれにしても、運用の結果によって将来の支払額が異なり、その運用先を自分で決められるのが確定拠出年金の特徴です。

④節税になる
確定拠出年金で積み立てた毎月の金額は、全額が所得控除になるため、節税に繋がります。

例えば、所得200万円に対して税金を支払わなければならない人が、確定拠出年金で年間20万円を積み立てると、20万円が所得控除となります。すると、所得180万円に対して税金が発生するため、支払う税金を少なくできます。

加入条件と月々の掛金の上限額

確定拠出年金には、加入できる人とできない人がいます。また、それぞれの状況によって月々の掛金の上限額も異なっています。

①20歳以上60歳未満の個人事業主の方やその配偶者
簡単に言うと「国民年金加入者」のことです。個人の自営業者や無職の方も該当します。
これらの人は、月額68,000円(年間816,000円)が掛金の上限です。

②60歳未満の会社員で企業型確定拠出年金や企業年金(厚生年金基金・確定給付企業年金)に加入していない方
会社員の方も確定拠出年金に加入できます。ただし、加入には

  • 企業型確定拠出年金に加入していないこと
  • 厚生年金基金・確定給付企業年金に加入していないこと

が条件となります。
ちなみに、「厚生年金」と「厚生年金基金」は意味が違います。

例えば、株式会社クートンの場合は、企業型確定拠出年金もやっていませんし、企業年金にも加入していないので、私自身も(個人型)確定拠出年金への加入を検討することができるわけです。

これらの人は、月額23,000円(年間276,000円)が掛金の上限です。

①または②の、上記どちらか一方の条件に当てはまれば、確定拠出年金に加入できます。

証券会社や銀行に加入申し込み

確定拠出年金の申し込みを受け付けているのは証券会社や銀行です。
各銀行や証券会社によって、口座管理手数料や商品のラインナップが異なるため、比較する必要があります。

どういったメリット・デメリットがあるのか?

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私が今回、確定拠出年金をやろうと思ったのは、多少なりとも節税になるからです。それ以外にやる理由はないのですが、メリット・デメリットをまとめると以下のようになります。

メリット

①節税できる
これが確定拠出年金の最大のメリットです。
前述しましたが、確定拠出年金の掛金は全額、所得控除できます。
例えば、所得200万円の人が確定拠出年金で月額23,000円を掛けた場合、年間276,000円を積み立てることになり、控除後の所得が1,724,000円となります。年間276,000円に対する税効果は82,800円で、20年間で166万円も節税できます。(ただし、将来の年金受け取り時に税金がかかるので、実際はここまで税効果は出ません)

②運用のパフォーマンスを上げられる
自分が選択する運用先によっては、国民年金や厚生年金よりも高いパフォーマンスをあげることができます。さらに、確定拠出年金専用の投資信託(運用先)は手数料が安く抑えられているものが多いので、一般販売されているインデックス投信よりもお得です。また、運用で発生した利益については非課税です。

例えば、将来の資産形成を考えて、日経225のインデックス投信を毎月1万円買っているのであれば、確定拠出年金に加入して、確定拠出年金専用の日経225のインデックス投信を毎月1万円購入した方がメリットは大きいです。

③将来の年金の受取額が大きくなる
単純に、将来に備えて積み立てをするので、将来の年金の受取額が増えます。

デメリット

①60歳まで引き出しできない
最大のデメリットは、積み立てたお金は60歳になるまで引き出すことができないことです。老後の資産形成を考えるのであれば良い選択と言えますが、資金が拘束されるのは、確定拠出年金のデメリットと言えます。

②損する場合もある
運用先を自分で選べるので、ハイリスク・ハイリターンな投資信託ばかり買ってしまうと、運用に失敗する可能性があります。元本割れしてしまうと、(確定拠出年金に関しては)掛金以下の年金しか受け取れないケースもあります。

③今、使えるお金が減る
年間276,000円を確定拠出年金に回せば、82,800円の節税になります。しかし、毎年276,000円を積み立てて、そのお金を60歳を過ぎてから受け取る仕組みなので、本当に加入すべきかどうかは、個人の判断によります。

簡単に言うと、今使えるお金と30年後に使えるお金、どちらが重要か?ということです。

どこの確定拠出年金を選ぶべきか

確定拠出年金は、証券会社や銀行で申し込みます。
ここで、比較検討をする必要が出てくるのですが、私は下記のサイトを参考に3社から選択しました。

http://www.cubmaga.com/401k-13/www.cubmaga.com

上記のサイトを参考にすると、

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となっていて、スルガ銀行かSBI証券なら、低コストでの運用ができます。

しかし、商品のラインナップを見てみると、信託報酬が低めの投資信託が多いのが、野村證券。SBI証券のEXE-iはラインナップに乏しく、リスクがやや高めのものを選択したい人向けだと思います。

このあたりは、慎重に検討をしたいところ。

私はあまり深く考えずにSBI証券を選択しました。
リスクが高めと言っても、過激に売買をするようなファンドはなく、EXE-iの外国株式インデックスやREITファンドが中心になると思ったこと。最近は楽天証券で、確定拠出年金専用商品を、一般の人でも買えるようになったので、もし低コストの国内インデックス投信を組み入れたければ楽天証券で買えばいいこと。そして、スルガ銀行は口座を持っていないという単純な理由です。

個人型と企業型の違い

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私は会社を経営しているので、もう一つの選択肢として「企業型確定拠出年金」がありました。個人で勝手に「個人型確定拠出年金」に加入するか、それとも会社で新しく「企業型確定拠出年金」を導入して、そちらに加入するかを検討しました。

企業型確定拠出年金のメリットは2つ

  • 掛金を月額55,000円(年間660,000円)にできる
  • 企業の損金(経費扱い)として処理できるので管理しやすい

デメリットとしては、

  • 社員が加入すると管理変更の手続きが面倒

ですが、これは管理する側の問題なので、従業員にとってはデメリットはありません。

参照:ŽOˆäZ—F‹âs

個人型だと年間276,000円しか控除できないものが、企業型にすることで660,000円まで控除できるのは魅力なので、私も最初は思い切って企業型確定拠出年金を導入しようと思い、資料を取り寄せました。

しかし、企業型確定拠出年金は導入コストが非常にかかるので、うちのような小規模法人向けではありませんでした。。。今回資料を取り寄せたSBI証券(SBIベネフィットシステムズ)の企業型確定拠出年金の場合、以下のような費用が必要です。

初期費用:100,000円
口座開設手数料:3,000円 / 1人あたり(加入者50名未満の場合)

事業主手数料:月額5,000円 / 1社あたり
加入者手数料:月額300円 / 1人あたり
収納代行手数料:月額300円 / 1社あたり

資産管理手数料:全体の残高に対して年率0.1%

SBIの企業型確定拠出年金は選べる商品も豊富なので魅力的なのですが、これらの手数料を考えると、弊社が選ぶようなものではないという結論に達しました。ということで、企業型確定拠出年金も検討したのですが、最終的に会社では導入せず、個人で確定拠出年金に加入することにしました。

ということで

確定拠出年金が劇的にすごいわけではありませんが、上手く活用することで税金を抑えて老後に備えることができる、便利なしくみだと思います。

個人的には将来のお金よりも今のお金の方が価値があると考えている方なので、確定拠出年金を考えるのは30歳を過ぎて、稼ぎにある程度の余裕が出てきた人が考えれば良いものだと思っています。

今回参考になった記事。

www.nikkei.com

こちらの記事もご覧ください。
oneinvest.jp

(書いた人:川原裕也

1億人の投資術というサイトをはじめました。
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