モバゲーで有名な会社「ディー・エヌ・エー」が始めた新しいビジネス「マイコード」は、個人向けの遺伝子検査サービスです。このサービスは2014年8月12日にスタートしたばかりで、注目が集まっています。
私も以前から「遺伝子検査サービス」に興味があったので、どういったものなのかを調べてみました。
個人向け遺伝子検査サービスとは?
ディー・エヌ・エーの「マイコード」に代表される個人向け遺伝子検査サービスは、インターネットで申込み、検査キットを取り寄せます。自宅で唾液を採取し、郵送で送り返すだけで検査は完了。検査の結果はネットから閲覧可能です。
遺伝子検査サービスをするとどんなメリットがあるのかというと、がんや生活習慣病の発症リスクや、肥満などの体質が遺伝子レベルでわかることです。
例えば、遺伝子検査の結果、
- ガンになりやすいとわかったからたばこをやめよう
- 太りやすい体質だとわかったから油物は控えよう
といった対策を取ることで、自分の体質に合わせて自発的に健康を維持する行動がとれます。
マイコードについてまとめてみます
ディー・エヌ・エーがはじめた「マイコード」について、具体的な料金やサービスをまとめます。
料金は9,800円から
検査メニュー(料金プラン)は3種類です。
マイコードでは、最大で280種類以上の検査項目を提供しており、これは世界でも最多級なのだとか。
■オールインワン280+
282項目で29,800円。
病気(がん・生活習慣病)、体質・ダイエット・美容の全検査項目。
世界最多の282項目で、ここでは書ききれないほど多くのことがわかります。花粉症からアルツハイマー病まで、その他聞いたこともないような病名もズラリと並んでおり、ただただ驚くばかり。
■ヘルスケア100+
100項目で19,800円
がん・生活習慣病の主たる病気と、体質・ダイエット・美容の一部項目。
ガンや生活習慣病を始めとする、100項目の遺伝子検査が行えます。オールインワン280+よりも検査項目の数は劣りますが、通常はこれだけでも十分のような気がします。
子宮体がんや肺がんなど24項目のガン、B型慢性肝炎や心筋梗塞などの病気、そして肥満から虫歯のなりやすさまで、網羅的にわかってしまいます。唾液一つでここまで分析できるのって、凄いですね。。
■カラダ30+
30項目で9,800円。
ダイエット・肥満、栄養、代謝、体型、美容(髪質・肌)、等体質の主要項目。
ガンや生活習慣病よりも、体質のことが知りたい場合に使えるプランです。1万円以下の価格で自分の体質がわかるので、ダイエットの参考としてやってみるのはどうでしょうか?ダイエットサプリを買うよりも効果的かもしれません。
気になった項目を紹介すると、「男性型脱毛症のなりやすさ」や「85歳以上まで長生きする可能性」などがわかります。
動画やサンプルでわかるマイコード
グラフィカルで見やすいレポートです。私のような医学的知識のない素人でも、楽しみながら自分の身体について知ることができそうです。遺伝的な影響で、腰のくびれが目立ちやすい人とそうでない人がいるとは知りませんでした。
簡単な検査方法と高い信頼性
検査方法は前述のとおり、検査キットを取り寄せて、自宅で唾液を採取するだけです。当然、痛みなどは一切ないので、お年寄りの方でも心配せず遺伝子検査が受けられます。
検査結果は2週間程度でわかります。
マイコードは東京大学医科学研究所との共同研究によって提供されるサービスなので、信頼性については申し分がないです。また、情報セキュリティにも配慮されており、情報や試料は徹底的に管理されます。
有料オプション
有料オプションとなりますが、遺伝子検査の結果に基づいた生活改善プログラムをプロの方に教えてもらえるサービスも提供しています。
管理栄養士を中心としたアドバイザーと、テレビ会議システムを通じて50分の面談をおこない、あなただけの生活改善プログラムを教えてもらえます。
個人的に残念だと思ったところ
個人的に気になったのが、オールインワン280+の検査項目に入っている「成長期身長の伸び」です。身長は子どもの頃しか伸ばすことができません。大人になってから「もう少し身長が欲しかった」と思う人は多く、父親、母親の方でも「できれば子どもが高身長に育って欲しい」と思う人は多いと思います。
マイコードの遺伝子検査によって、お子様が小さな時から成長期身長の伸びを把握していれば、成長期に「牛乳をたくさん飲ませたり?」、「たばこの煙から遠ざけたり?」と言った対策を取ることができ、子どもの身長を最大限に伸ばしてあげることができるかもしれない。
と思ったのですが、マイコードは「20歳以上の成人のみを対象としている」ため、赤ちゃんや子どもは受けることができません。せっかく唾液のみで解析できる遺伝子検査なのに、この点は残念だと思いました。
Yahoo!JAPANも遺伝子検査に参入
ディー・エヌ・エーのマイコード発表とほぼ同時期に、Yahoo!JAPANも遺伝子検査サービスに参入すると発表しました。こちらは10月に開始予定です。
Yahoo!JAPANは、日本初の個人向け大規模遺伝子解析サービスを提供する、ジーンクエスト社との提携によって、HealthData Laboというサイトを立ち上げました。(ジーンクエスト社は東大発ベンチャー)
ヤフーは以前から、Yahoo!ヘルスケアを通じて、ジェネシスヘルスケア社のGeneLife ZEROを販売していました。
これまでキットの販売だけを行ってきたヤフーですが、今回、自身で直接遺伝子ビジネスに参入することを決め、ジーンクエスト社を組んで、HealthData Laboを立ち上げたという背景のようです。
こちらのページでヤフーの担当者がインタビューに答えています。ヤフーが直接遺伝子解析に参入した理由としては、やはり人がもつ貴重なデータを「ビッグデータ」として取りにいきたいのでしょう。
遺伝子の研究は「ジーンクエスト社」が担当し、遺伝子解析から得られたデータの分析と、それを活用した健康に関する情報提供をヤフーが担当するといった役割分担なのだと思います。
ヤフーのHealthData Laboの検査項目数は約300となり、マイコードを上回ります。また、先祖解析といった面白そうな項目もあります。
また、祖先解析も項目に含んでおり、母親から受け継ぐミトコンドリアDNAから「自分と同じ遺伝子を持つグループがどこで生まれてどう移動してきたのか」をたどることができるという。
http://japan.cnet.com/news/service/35052181/
こちらがYahoo! HealthData Laboのプロモーション動画。
自分の遺伝子を知らずに生きているなんて、目隠しをして歩いているようなものだ。といった内容です。
さいごに
現在、Cnetで遺伝子検査を受けたいかどうか?のアンケートが行われていますが、約60%の人は受けたいと答えています。私も個人的に興味があるので、一度どのようなものか受けてみようと思います。
マイコードによる遺伝子検査は、公式サイトから申込ができます。
(書いた人:川原裕也)
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