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販売者はホームレス!駅や路上で手売りされている雑誌「ビッグイシュー」って知ってる?

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そこそこ大きい都市に行くと、駅前や人が多く通る路上で、失礼ながら「怪しい感じ」の男性が海外の有名人や有名キャラクターの表紙を飾っている雑誌を売っている姿を見かけたことは無いでしょうか。

実は彼らが売っている雑誌The BIG ISSUE(ザ ビッグイシュー)は、ホームレスの社会復帰を支援するイギリスを発祥としたストリート新聞(ホームレスや貧困の人が売る、支援する雑誌・新聞のこと)なのです。

ホームレスの自立支援雑誌「BIG ISSUE(ビッグイシュー)」

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▲最新号の表紙はメキシコの俳優ガエル・ガルシア・ベルナル氏。イケメン!

ビッグイシューはイギリス・ロンドンで1991年に生まれて、日本では2003年9月に創刊された、ホームレスの人々の救済ではなく、仕事を提供して自立を応援する事業です。

現在イギリスとナミビア、南アフリカ、ザンビア、ケニア、エチオピア、オーストラリア、韓国、台湾、日本にあり、それぞれ独立した雑誌ですが、記事や情報交換などで協力関係にあります。

販売場所は札幌、宮城(仙台)、石川(金沢)、東京、神奈川、千葉、名古屋、大阪、京都、奈良、神戸、岡山、福岡、熊本、鹿児島の主要の駅近くや交差点が多いです。

ちなみに最大75%OFFでホテルを予約(予約手数料、キャンセル手数料、追加料金なし)できるサイトHotels4Changeでは、予約1件ごとに宿泊代金の約5%がビッグイシュー日本とINSPに寄付されます。旅行で宿泊先を予約する人は活用してみてください。

販売の仕組み

販売者は現在路上生活をしている人(ホームレス)または安定した自分の住まいを持たない人です。

最初の10冊は無料提供して、売上(完売すると3,500円の利益)を元手に、以降は1冊170円で仕入れます。定価350円なので、1冊売れるごとに180円が販売者の利益となる仕組みです。

ビッグイシューの販売者は以下の行動規則を守って販売を行なっています。言葉は悪いですが「ビッグイシューを販売している人は安全?ですよ」ということ。

1.割り当てられた場所で販売します。
2.ビッグイシューのIDカードを提示して販売します。
3.ビッグイシューの販売者として働いている期間中、攻撃的または脅迫的な態度や言葉は使いません。
4.酒や薬物の影響を受けたまま、『ビッグイシュー日本版』を売りません。
5.他の市民の邪魔や通行を妨害しません。 このため、特に道路上では割り当て場所の周辺を随時移動し販売します。
6.街頭で生活費を稼ぐほかの人々と売り場について争いません。
7.ビッグイシューのIDカードをつけて『ビッグイシュー日本版』の販売中に金品などの無心をしません。
8.どのような状況であろうと、 ビッグイシューとその販売者の信頼を落とすような行為はしません。

毎月1日と15日発行、値段は350円

ビッグイシューの最新号の販売日は毎月1日と15日。値段は350円です。

最新号だけではなく、バックナンバーも販売しているので、後々になって「あの号が欲しい」という時も買えます。また販売者がバックナンバーを持っていない場合でも、直接予約すれば取り寄せてくれます。

ただし人気の号になると完売することも多々あるので、早めの購入が大切です。

販売員は場所固定、日によって会えるかはマチマチ

販売時間帯は大体朝8時~6時くらい(朝の通勤時間帯~暗くなる前)が多いです。ビッグイシューの行動規則「割り当てられた場所で販売します」に則り、販売員によって販売場所が固定されています。

天候や販売員の事情によって、誰も居ないこともあるので「販売場所に行けば必ず出会える」よりも「出会えたらラッキー」くらいの気持ちで買いに行くと良いです。

私はホームレスには何となく「危険で怖い」という印象を持ってしまうのですが、販売員をされている人に関しては安心感があります。私が普段買っているビッグイシュー売りのおじさんは、非常に礼儀正しくて威圧感が無いです。

詳しい販売場所はこちらを参照して下さい。ビッグイシューを買うと最後のページに販売場所が一覧で掲載されています。

ちなみに遠方に住んでいてビッグイシューの購入が難しい人は、5冊以上申し込めば、送料負担で通信販売も行なっています。

公立図書館や学校図書館、市民センターではビッグイシューを置いてある所もあるので「買う前にまず内容を確かめたい」という人は探してみると良いです。

ビッグイシューが読める場所(図書館、市民センターなど)

内容は普通に面白い

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ビッグイシューはA4版カラーページの32ページ前後、週刊雑誌のような薄い本です。「駅前で買って、カバンに入れて、ちょっと暇つぶしに読む」に最適な雑誌です。

内容は各界の著名人のエッセイ、表紙を飾った人のスペシャルインタビュー、特集、音楽・映画紹介、読者投稿、販売者へのインタビュー記事など、普通の週刊誌と変わりありません。ただし他の雑誌とは違った切り口で題材を取り上げていることが多く、路上生活者や性的少数者、障がい者など、マイノリティに焦点を当てた記事が目立ちます。中身はページ数には似つかわしくないほど濃厚です。

雑誌の立ち位置としては、非常にマイルドな週刊金曜日やAERAかなと勝手に思っています。

私は熱心なビッグイシュー読者ではなく「支援すべきの義務感では長続きしないな」と思っているので、基本的に「表紙買い」「特集読みたさ」で購入しています。

「最新号のオーランド・ブルームがイケメン」とか「だるまちゃんが表紙だから、かこさとしさんのインタビュー載ってるな」という理由で、販売員であるホームレスを支援する為に買っていると言うよりも「内容が面白いから買う」に重点が置かれています。

最後に

ビッグイシューには「販売員の社会復帰を支援する」「内容が面白い雑誌が読める」という2つのメリットがあります。

「生活支援」と言うと、私は堅苦しくて偽善的な印象を持ちやすいのですが「雑誌を買う」というのは、ちょっとしたお金があれば抵抗感なくできることだと思います。

駅前や交差点でビッグイシュー売りの人を見かけたら「何、あの人?」と思わずに、まずは興味本位で良いので一冊買ってみて下さい。自分が今まで持っていた価値観や偏見が変わる……かもしれません。

(書いた人:昼時かをる)

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