「モノ書いて食べていきたい」「文章を書いてお金を稼いでいきたい」。
これは私が弊社、株式会社クートンの求人面接で話した言葉ですが、私と同様に「文章を書いて生活していきたい」と考えている人は多いのではないでしょうか。
では実際に「文章で稼げる仕事」とは具体的に何があるのでしょうか。
実際に私が今まで経験したことのある仕事内容を中心に、主にパソコンを使った文章でお金を稼ぐ方法を紹介します。
文章でお金を稼ぐ7通りの方法
Webライター
Webライターとは主にWeb上で記事を書く人を全般を指します。
Webライターになるには主に以下の方法があります。
- クラウドソーシングを使って仕事をする。
- 有名Webメディアで記事を書く。
- 企業にWebライターとして正社員で雇われる。
クラウドソーシングとは、ネットを利用して不特定多数の人に仕事を依頼したり、募集を受けたりするWebサービスのこと。有名所としては ランサーズ、 クラウドワークス、 @SOHOが挙げられます。
在宅ですぐにWebライターの仕事ができるのはメリットですが、1記事あたりの単価は数百円と非常に安いので、主婦や他に仕事をしている人の副業やお小遣い稼ぎ、という印象があります。
有名Webメディアのサイトを見ていると、隅っこの方に「ライター募集」のカテゴリがあることが多いです。
例えば「nanapiワークス」、「ライター募集! - ハウコレ」、「ガジェット通信ライター募集 - ガジェット通信」など、探せばいくらでも見付かります。
初心者でもOKな所だけではなく、ある程度のライター経験や質の高い記事を求める所も多いので、ある程度クラウドソーシングや個人ブログなどで実力を付けてから応募することをおすすめします。
最後の「企業にWebライターとして正社員で雇われる」。
自分の好きな時間に記事を書くのではなく、会社や事務所に出勤して8時~18時までフルタイムで仕事をする、という働き方になります。
外注ライターに任せるWebメディアや企業が多いのか、求人は思った以上に少ないです。正社員の募集になるとクラウドソーシングやWebメディアではなく、リクルートサイトでの募集が多くなるので「正社員でWebライターになりたい!」という人は各就職・転職サイトに登録すると見つかりやすくなります。
「正社員でWebライター募集」になると、新入社員のように企業でイチから育てていく意識が強いのか「未経験OK」も多いです。ちなみに弊社に私が採用された大きな理由は「応募者の中で一番まともな記事を書いていたから」だったので、たとえ未経験でもWebライターとして必要なある程度のライティングスキルは求められることは覚悟しておく必要があります。
アフィリエイトサイト
弊社は事業内容を「インターネットメディア運営事業」としていますが、要はアフィリエイトサイトを中心に収益を得ている会社です。
アフィリエイトサイトは「サイトを作る→バナー広告を張る→ユーザーがクリック、申し込みや商品購入で売上が出る」という仕組みで収入を得る方式です。
最近は個人ブログの勢いに押され気味ですが、アフィリエイトサイトも文章でお金を稼ぐ方法として良く使われます。
ライターや個人ブログとは異なり、ただ記事を書くだけはなく、サイト全体の管理・運営をする必要があります。
世間一般的には「アフィリエイトサイトを運営すれば必ず儲かる」という印象がありますが、何らかの理由でサイトや記事が検索順位の上位に来ない(=Googleに評価されない)と、ほとんど売上が見込めません。
ちなみに私は入社後1年半経った現在では、約20サイトの管理運営、記事の作成などを任されていますが「まとまった売上がある」と自信を持って言えるのは1/3くらいしか無いです……。
またアフィリエイト初心者の私が社長にノウハウを教えてもらいサイトを作成。ようやく数千円の売上が発生したのが入社して半年以上経った頃だったので「初心者がアフィリエイトサイトで稼ぐには長期的に見ておかないと、途中で投げ出したくなる」というのは知っておいて損はないと思います。
個人ブログ
最近はアフィリエイトサイトではなく、個人ブログで稼ごうとしている人が多い印象を受けます。
「一億総ブロガー時代」や「会社を辞めてブログで食っていくことを決めた」と言う人もいるくらい、最近は個人ブログへの人気が加熱しています。
個人ブログでのお金の稼ぎ方としては主に5通りあります。
・特定の商品やサービスを紹介。ユーザーが購入や申し込みをすることで、単価に応じた売上が発生する。
・Google AdSenseを貼り、ユーザーがクリックすると、広告に応じて1クリック数円~数百円の収益が得られる。
・Amazonや楽天の商品を紹介。ユーザーが購入すると、商品代金の数%が報酬になる。
・ブログで発表した小説やエッセイ、マンガなどが人気を集めて単行本化する。
・雑誌やWebサイトから掲載依頼が来て、記事を寄稿する。
基本的に売上はPV数に比例して増えていくので、記事を読んでくれるユーザーやページ数が多ければ多いほど、得られる金額は大きくなります。
「ブログ炎上」という言葉がありますが、炎上すればするほどPV数が上がり、その分収益も爆発的に上がります。虚構新聞が日本ユニセフ協会による抗議によって削除した「日本ユニセフ、寄付金の流れ透明化へ」と「ご報告」が炎上した際の広告費が「プレステ4が買えるだけの金額になった」とあったので、PV数と売上は比例関係にあることが分かると思います。
参照:虚構新聞デジタル:本紙読者のみなさまへ、広告収入寄付のご報告
ただし「アフィリエイトは悪」という印象が強いのか、個人ブログ見るとたまに「アフィリエイトはやっていないので、リンクを踏んでも大丈夫です」と書いている人もいます。私としては「別に自分の時間を削って文章書いているなら、アフィリエイトで多少儲けても良いじゃないか」と思ってしまいます。
個人ブログはアフィリエイトサイトとは異なり「書き手の個性」「書き手の意見」が人気を左右します。
基本的に「質の高い記事を書いていれば、それなりの収益になる」のが個人ブログの良い所ですが、お小遣い程度ではなくガッツリ稼げるまでには、ある程度の記事数と時間、文章力が必要になります。
Amazonで電子自費出版本を販売する
「自分の知っているノウハウを本にしてまとめたい」「ブログの内容を1冊にまとめて出版したい」「自作小説を売りたい」という場合に販売経路として活用できるのが「Kindle ダイレクト・パブリッシング」です。文章以外にもマンガ本や画集、写真集を出すという使い方もできます。
個人が作成した電子書籍をAmazonのKindleストアで販売可能。出版社や印刷所を通す必要がなく、価格は自分で自由に設定できます。ロイヤリティは基本的に売上の70%で、半永久的に販売できるのがメリットです。
自分の知名度がなければ、その分大きな収入にはなりませんが「内容が評価されて、いきなりベストセラー作家になる」という可能性も充分に秘めています。
データ入力
企業の統計や調査結果の資料など、決められた内容に沿ってデータを入力する仕事です。
派遣会社に登録して各企業に行く場合と、クラウドソーシングサイトでの募集に申し込むのが一般的な働き方です。給与は出来高払い(1仕事○○○○円)と時給制(1時間○○○円)があり、タッチタイピングと正確性に自信がある人は出来高払いを選んだ方が稼ぎやすいと思います。
後で説明するテープ起こしやパソコンテイクと比較して募集は多い分、しっかりと仕事内容を見極める必要があります。
テープ起こし
テープ起こしは講演会や会議、講座など録音された声を聞き取り、内容を文章に書き起こす仕事です。
「在宅で可能な仕事」として長年人気があり、テープ起こしやデータ入力を専門に扱っている企業に在籍するか、クラウドソーシングサイトでの募集に申し込みます。クラウドソーシングサイトを利用する場合、1本のテープ起こしで5,000~10,000円あたりが相場です。
単価だけを見ると結構効果ですが、実際にテープ起こしをやってみると意外と時間が掛かるので「時給換算すると最低賃金以下」「労力の割に得られるお金が少ない」というケースも多々あります。「タッチタイピングが早くて、正確に内容を聞き取れる、国語能力がある、何回も音声を聞き取る忍耐がある」などある程度の適性が必要になります。
- テープ起こし・文字起こし の仕事・依頼を探す - Crowdworks
- スタッフ募集 - テープ起こしのコエラボ
- テープ起こしスタッフ募集 - 東京反訳
- テープ起こしスタッフの募集 - テープ起こしとデータ入力の京都データサービス
パソコンテイク(パソコン要約筆記)
パソコンテイクとは聴覚障害を持つ人の情報保障として、講義や講座、講演会の内容を要約しながらパソコンのキーボードで入力していく仕事です。紙とペンを使用した要約筆記は「ノートテイク」と言います。
パソコンテイクやノートテイクの多くは聴覚障害の学生が在籍する大学で実施されていますが、大学外でも一部の講演会や会議、学会では手話通訳の他にパソコンテイクやノートテイクが行なわれることもあります。
「タッチタイピングが滅茶苦茶得意」「タッチタイピング能力は普通だが、人の話を聞いて要約するのが得意」という人に向いています。手話ができなくても、基本的に何とかなります。
ノートテイクやパソコンテイクの仕事をする場合、基本的に聴覚障害者を支援する団体やサークルに加入します。また各会議や講演会が「情報保障のお願い」として、ノートテイカーやパソコンテイカーを募集している場合もあります。情報保障が必要な時に仕事依頼が来るので、定期的に稼ぐと言うよりは単発的なアルバイトに近いです。
気になるお金に関しては「1時間800~900円」「交通費数千円」など受ける依頼によって様々ですが、ボランティアに+αがついた程度と考えた方が良さそうです。
まとめ「文章でお金を稼ぐのは並大抵のことではない」
学生時代にデータ入力とテープ起こし、パソコンテイク。社会人になってアフィリエイトサイトと(会社の)ブロクと、パソコンを使って文章でお金を稼ぐ方法を身を持って経験していますが「どれも楽に稼げた」という仕事は一つもありませんでした。
タッチタイピング、文章作成、人の話を聞き取って書く能力など、どれを取っても専門技術で、それなり以上に稼いで充実感を味わえるようになるには、それ相当の時間と努力が必要になります。個人的には文章書きへの入り口は広いが、後は狭くて脱落しやすい道が続いているゴールが見えない世界だと思っています。「文章書いて食っていきたい」という人は、書くことは専門技術であること、きちんと稼げるようになるには長年の努力が要ることを知って欲しいと思います。
(書いた人:昼時かをる)