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種類や殺菌法で味が全然違う!パッケージ表示で分かる自分にあった牛乳の選び方

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「スーパーで牛乳を買おうとしたら、たくさんの種類があって何を選んだら良いか分からない」という経験をしたことはありませんか?

「値段で選ぶ」と特売のお買い得品を購入したら、いつも飲んでいる牛乳と全く違う味がする場合も少なくありません。

同じようなパッケージでも、牛乳によって味や飲みやすさ、栄養価はそれぞれ異なります。

何を基準に牛乳を選んで良いか迷った時「パッケージの表示」が役に立ちます。自分にあった牛乳を見付ける際、知っておきたい牛乳の表示についてまとめました。

種類別名称

【牛乳】
搾乳した生乳だけを加熱殺菌したもの。
乳脂肪分3.0%以上、無脂乳固形分8.0%以上。

例:明治おいしい牛乳

種類別名称:牛乳
原材料名:生乳100%
無脂乳固形分:8.3%以上
乳脂肪分:3.5%以上
殺菌:130℃ 2秒間

コップ1杯(200ml)当たり
エネルギー……137kcal
たんぱく質……6.8g
脂質……7.8g
炭水化物……9.9g
ナトリウム……85mg
カルシウム……227mg

※明治おいしい牛乳の場合


【特別牛乳】
特別牛乳搾取処理業の許可を得た施設で搾取した生乳を処理して製造したもの。
乳脂肪分3.3%以上、無脂乳固形分8.5%以上。

特別牛乳を製造する為には、特に優れた飼育環境や牛乳処理施設が必要な為、日本全国で5ヶ所しかありません。

  • 想いやりファーム(北海道河西郡)
  • 雪印こどもの国牧場(神奈川県横浜市)
  • クローバー牧場(京都府木津川市)
  • 白木牧場(福岡県嘉麻市)

近所のスーパーで気軽に買える代物ではないので注意。

ちなみに日本で唯一「無殺菌牛乳」が市販品で飲めるのが、想いやりファームの「想いやり生乳」です。
荒川弘『百姓貴族』でちょっとだけ触れられていました。


【成分調整牛乳】
生乳から水分や乳脂肪分などの乳成分を一部除去したもの。
牛乳に比べて値段が安い傾向にあります。

例:森永乳業「まきばの空」

種類別名称:成分調整牛乳
原材料名:生乳100%
無脂乳固形分:8.3%以上
乳脂肪分:2.5%
殺菌:130℃ 2秒間

コップ1杯(200ml)当たり
エネルギー……101kcal
たんぱく質……6.6g
脂質……4.1g
炭水化物……9.5g
ナトリウム……85mg
カルシウム……227mg


【低脂肪牛乳】
生乳から乳脂肪分を一部除去したもの。成分調整牛乳の一つです。
乳脂肪分0.5%以上1.5%以下、無脂乳固形分8.0%以上。

タンパク質やカルシウムなどの栄養価は普通の牛乳と変わりません。

例:明治おいしい低脂肪牛乳

種類別名称:成分調整牛乳
原材料名:生乳100%
無脂乳固形分:10.0%
乳脂肪分:1.2%
殺菌:130℃ 2秒間

コップ1杯(200ml)当たり
エネルギー……99kcal
たんぱく質……7.8g
脂質……2.4g
炭水化物……11.6g
ナトリウム……83mg
カルシウム……268mg

【無脂肪牛乳】
生乳からほぼ全ての乳成分を除去したもの。
乳脂肪分0.5%未満。

成分調整牛乳や低脂肪牛乳と比較して、市場規模は小さめ。

例:森永のおいしい無脂肪乳

種類別名称:成分調整牛乳
原材料名:脱脂濃縮乳・脱脂粉乳、生乳(50%未満)
無脂乳固形分:9.8%
乳脂肪分:0.4%
殺菌:130℃ 2秒間

エネルギー……86kcal
たんぱく質……8.4g
脂質……0.4g
炭水化物……12.3g
ナトリウム……92mg
カルシウム……290mg


【加工乳】
生乳にバターや脱脂粉乳などの乳製品を加えて、成分を調整したもの。
加えて良いのは乳製品と水だけ。

乳脂肪分は規定なし、無脂乳固形分8.0%以上。

●低脂肪タイプ
生乳に脱脂粉乳などを加えて脂肪分を少なくしたもの。
牛乳よりも低エネルギーですが、タンパク質やカルシウムは多め。
乳脂肪分1.0〜1.5%、無脂乳固形分8.5〜10.0%。

●濃厚タイプ
生乳に濃縮乳やクリーム、バターなどを加えたもの。
栄養価が高く風味も濃厚で「コクのある牛乳が好き!」という人向き。
乳脂肪分は4.0〜4.6%、無脂乳固形分8.5〜10.5%。


【乳飲料】
生乳、牛乳などの乳製品に果汁や甘味料、カルシウムや鉄分などの栄養分を追加して作られたもの。乳製品以外が入れば、乳飲料になります。
乳固形分3.0%以上。

例:毎日骨太

種類別名称:乳飲料
原材料名:生乳(50%未満)、乳製品、乳たんぱく質、乳等を主要原料とする食品、炭酸Ca、乳化剤、ビタミンD
無脂乳固形分:9.0%
乳脂肪分:1.0%
殺菌:記載なし

コップ1杯(200ml)当たり
エネルギー……87kcal
たんぱく質……6.6g
脂質……1.9g
炭水化物……10.8g
ナトリウム……93mg
カルシウム……350mg
ビタミンD……2.5μg

毎日骨太は乳製品以外の成分が入っている為「乳飲料」の括りになります。
牛乳と比較して、カロリーは低いのですが、カルシウムが多く、ビタミンDが摂取できるのが特徴。

無脂乳固形分

牛乳から水分と乳脂肪分を除いたもの。
タンパク質や炭水化物(乳糖)、無機質(ミネラル)、ビタミン類を含んでいます。

栄養や風味に大きな影響を与え、一般的に「無脂乳固形分が多いほど美味しい」と言われます。

加工乳や乳飲料(栄養強化タイプ)は、牛乳に脱脂粉乳などの乳製品を加えている場合が多いので、牛乳と比較して無脂乳固形分の割合が多いです。

乳脂肪分

牛乳から水分と無脂乳固形分を除いたもの。要は「脂質」です。

乳脂肪分は牛の飼料、地域、季節によって変わります。特に夏季は乳脂肪分や無脂乳固形分が低くなる傾向にあります。

原材料名

乳飲料の場合は最初に「乳、乳製品、主要な混合物」の配合割合が多い順、次に添加物の割合が多い順に表示されます。

殺菌

温度と時間の違いで殺菌方法が分けられます。
栄養価は変わりませんが、風味や飲みやすさに差があります。

【超高温瞬間殺菌】
スーパーなどに多く出回っている牛乳の大半はこの方法で作られています。大量生産向き。
殺菌温度:120~150度。殺菌時間:1~3秒。

【高温短時間殺菌】
時間は長いですが、温度が低いので、生乳に近い風味が味わえます。
殺菌温度:72度以上。殺菌時間:15秒以上。

例:北海道よつ葉牛乳(種類別名称:牛乳、殺菌:72℃15秒)

【低温殺菌】
他の殺菌方法よりも、甘みやトロミが増します。大量生産には不向きで、スーパーであまり見かけないことも。
殺菌温度:63~65度。殺菌時間:30分。

例:タカナシ低温殺菌牛乳(種類別名称:牛乳 / 成分:無脂乳固形分:8.4%以上、乳脂肪分:3.6%以上、殺菌:66度30分)

消費期限・賞味期限

牛乳によって「消費期限」と「賞味期限」の記載が分かれます。

低温殺菌牛乳は「消費期限」(未開封の状態でも劣化が早い為)。
高温殺菌牛乳は「賞味期限」

一度開封すると日付は無効になるので、消費・賞味期限問わず、2日程度で飲み切ることが大切です。

ホモ、ノンホモの違いは?

【ホモ=ホモジナイズ】
牛乳に含まれる乳脂肪が分離しないように、脂肪球を細かく砕くことを言います。(homogenize=均一化すること)

ホモジナイズをすると、高温殺菌などの熱処理がスムーズになり、大量生産が可能になります。
「スーパーで売られているほとんどの牛乳はホモジナイズ牛乳」と言っても過言ではありません。

飲み始めから終わりまで均一な味になり、消化吸収がとても良くなる反面、お腹を壊す原因の一つにもなります。

【ノンホモ】
ホモジナイズを行なっていない牛乳のこと。

体内への消化吸収がゆっくりな為、お腹を壊しにくく、乳糖不耐症の人が飲んでも大丈夫な場合が多いです。
生乳に近い味が楽しめる他、バターを作ることも可能です。

いかがでしたか?

「いつも飲んでいる牛乳が売り切れているので、似たような牛乳が欲しい」と思った時は、種類別名称と原材料名、殺菌方法を見て、普段買っている牛乳と同じ内容が書かれているものを選べば、味や飲みやすさが大きく変わることはありません。

また「新しい商品にチャレンジしてみたい」と思った場合、以下の見方が目安になります。

牛乳は低カロリーの方が良い……成分調整牛乳(低脂肪、無脂肪)
1杯あたりの栄養価は高い方が良い……加工乳、乳飲料
コクがある「濃い牛乳を飲みたい」……「特選」表記がある牛乳、加工乳の濃厚タイプ
より自然で美味しい牛乳を飲みたい……高温短時間殺菌、低温殺菌タイプ
なるべく加工していないのが良い……牛乳、特別牛乳

普段は何気なく選んでいる牛乳ですが、パッケージの表示を意味をきちんと理解して、上手に使い分けしてみて下さい。

(書いた人:昼時かをる)