暦も間もなく秋。日中こそ暑いですが、夜は涼しい日も増え、過ごしやすくなってきました。暑さは毎年勢いを増しているかのよう。そうめんが食卓に上がる日も多かったのではないでしょうか?
そんな、そうめんの有名ブランドと言えば、『揖保乃糸』。他社製品の追随を許さない細さ、それでいて、のど越しの良さがなんとも美味ですよね!
そんな『揖保乃糸』そうめん。巷のスーパーやコンビニエンスストアで発売されているもの以外にも、まるでワインのようにランクが分かれており、様々な種類があるって知ってました?
奥深き『揖保乃糸ヒエラルキー』
いわゆるスーパーやコンビニエンスストアで購入可能な『揖保乃糸』は、『揖保乃糸(上級)』。あれでも十分に美味しいのですが、実は、揖保乃糸ヒエラルキーのなかでは最下層。その他にも、揖保乃糸のラインナップはたくさん!以下のように分かれています。
●揖保乃糸 三神(さんしん)
太さ:0.55~0.60mm
上質の原料小麦を使用。揖保乃糸の製造組合が指定した数件の製造者にしか作ることができない。
●揖保乃糸 特級
太さ:0.65~0.70mm
上質の原料小麦を使用。12月から翌2月の厳寒期に作られる。三神よりも少し太め。
●揖保乃糸 縒りつむぎ(よりつむぎ)
太さ:0.70~0.80mm
国内産小麦のみを使用。ゆでた後のつやや食感が良いと評判で、小麦本来の味わいが楽しめる。
●揖保乃糸 播州(ばんしゅう)小麦
太さ:0.70~0.90mm
名前の通り、粘りに富んだ播州小麦を使用したそうめん。弾力性のある小麦・ゆめちからを独自ブレンドし、おいしさの黄金比を生み出した。
●揖保乃糸 熟成麺
太さ:0.70~0.90mm
厚生労働省認定の国家資格・製麺技能士が製造したありがたいそうめん。
いつもよく見る上級はこのなかで、もっともリーズナブルなラインナップ。全生産量の85%を占めています。
実はそうめん以外も充実している揖保乃糸シリーズ!
揖保乃糸=そうめんというくらい、そうめんのイメージの強い同ブランドですが、実はその他にもうどんや中華麺といった商品も手掛けています。
●揖保乃糸 聖(ひじり)うどん
太さ:短径1.5mm 長径2.9mm(それぞれ±0.10程度の誤差あり)
特定の製粉メーカーの小麦粉を原料としており、麺はゆで時間が短縮されるようやや扁平。
●揖保乃糸 宝播(たからばん)うどん
太さ:約3.6mm
揖保乃糸の乾麺は19~24cmが相場ですが、これはその2倍の長さである38cm。ゆえに、すすると口いっぱいにうどんの食感が楽しめ、香り高い小麦の風味が楽しめる。
●揖保乃糸 龍の夢
太さ:1.2~1.6mm
揖保乃糸の手延べ製法を中華麺で再現。通常の中華麺に比べるとややストレートなのが特徴的だが、冷やし中華のタレや通常のラーメンのスープの絡みも抜群。
揖保乃糸の味は約600年前から変わらず!
気軽に購入できる揖保乃糸ですが、その歴史はかなり古く、今から約600年前にはその存在が確認されています。
兵庫県揖保郡太子町にある斑鳩寺に残る日誌のなかに、応永25年(1418年)9月15日の条にサウメンという文字がでており、これが揖保乃糸の産地である播州地方でもっとも古いそうめんの記述になるそう。身近なそうめんが実は600年前から守られてきた味だと思うと、なんだか見方が変わりますね。
今年十分にそうめんを食べた人も、なんだかそうめんをまた食べたくなってきませんか? 9月もまだまだ日中は暑い日もあります。火照った体に冷たい麺で涼を。夏を思い出しながら、いかがですか?
(書いた人:考務店)