最近はTVCMも放送されている、格安SIM。
「携帯料金が月々半分以下に」等と宣伝されていますが、本当に安くなるのか?
安くなるからには、デメリットもきっとあるはず。
それぞれ使い方も含めて、検証してみたいと思います。
格安SIMって?
雑誌やテレビでちらほら見かける、携帯料金節約術。
iPhoneなど最新のスマートフォンを使っていれば、2年縛りで月々8000円台後半の支払いをしている人も多いと思います。
しかし、宣伝文句は大抵、「携帯電話料金が月900円!」など、なかなか魅力的な金額を示していたりします。
まさに文字通り、格安な料金で携帯電話を使えるサービスが「格安SIM」あるいは「MVNO」などと呼ばれているサービスです。
これらのサービスは、ドコモやauから回線を借りる形でサービスを行っており、自社で開設や運営にコストのかかる携帯基地局などを一切持っていないことから、低価格で携帯電話を利用できるようになっています。
また、回線を借りているため、電波の入るエリアは貸出元のドコモやauとまったく同じで、回線の速さだけが各社の通信設備やユーザー数によって変わる形になっています。
本当に安く出来るのか?
例えば、多くのサービスの最安値は1000円を切っていますが、この場合はデータ通信のみです。
音声通話は出来ないと考えて良いでしょう。
音声通話での最安値は1300円程度から。
これでも充分大手キャリアよりは安いです。
もちろんこの値段でドコモやauとまったく同じサービスが提供できるわけはありません。
キャリアが出来るのに格安SIMでは出来ないことは以下のようなことがあります。
- 通話料定額サービスが無い
- キャリアメール(@docomo.ne.jp,@ezweb.ne.jpなど)を提供していない
- iPhoneやXperia、Galaxyといった人気端末を販売していない(一部例外あり)
- サポートをしてくれる実店舗がほぼ無い
- 会社によって実際に出る通信速度がまちまち
格安SIMを使うためには
もし既にドコモかauのスマートフォンを持っていて、その機種を使い続けたいのであれば、中に入っているICカード(SIM)を購入するだけで格安SIMのサービスを受けることが出来ます。
ただし、auの場合は選択肢は「mineo」と「UQ mobile」の2社だけになります。
(Softbankは2015年8月現在MVNO業者が存在しないため、Softbank端末を格安SIMで使用することは不可能です。)
また、格安SIMといえど、回線事業者ですので、MNPを使って現在の電話番号をそのままに回線を引っ越しさせることも出来ます(メールアドレスは通常のMNPと同様に使えなくなります)
スマートフォンを持っていない場合、あるいは別の機種を使いたい場合、自分で中古端末などを探すか、各格安SIMサービスが用意しているSIMフリー端末を購入することになります。
SIMフリー端末
正確には「SIMロックフリー端末」と呼ばれ、通常のスマートフォンは購入したキャリア(ドコモならドコモ、auならau)以外のSIMを使用しても通信が出来ないようになっています。
しかし、SIMフリー端末では、電波さえ対応していればどのキャリアでも通信することが出来ます。
格安SIM業者は、キャリアではないので自社のためにロックした端末という物は存在しません。
なので、どの業者でも使えるSIMフリー端末を販売しているのが一般的となっています。
誰でも格安SIMにした方が得なのか?
前述したとおり、音声通話の定額サービスは格安SIMにはありません。
つまり、音声通話をたくさんする人にとっては格安SIMの方が高くなる可能性があります。
しかし、格安SIMでもLINEやSkypeなどで音声通話をすることができるので、これはあまりデメリットでは無くなってきています。
また、キャリアメールに対応していないので、今はだいぶ少なくなりましたが、キャリアメールの登録が必須のサービスなどは利用できません。
こういったサービスを利用している方は、格安SIMに変更するとサービスが利用できなくなったりするので注意が必要です。
そして格安SIMはほとんどが電話やメールでのサポートしか行っておりません。
ドコモショップやauショップに足を運んで設定や修理を頼みたい人には不向きです。
回線速度にこだわる方にも格安SIMは向いていません。
通常のネットサーフィンやスマホゲームの利用で困ることはほぼありませんが、大容量のデータを常にやりとりするといった用途では、格安SIMの速度はいくらか不満のあるものになってしまうと思われます。
おすすめはこちら
以上を踏まえた上で、既に数十社ある格安SIM業者から、おすすめの3社をご紹介致します。
IIJ Mio
初期費用:3,000円
データ通信月額:900円
容量:3GB
通話月額:700円
通話最低利用期間:12ヶ月
国内最大手プロバイダーIIJが提供するMVNOです。
回線の安定度、価格の安さ共にトップクラスで、ほとんどの人に安心しておすすめできる格安SIMです。
また、イオンやビックカメラと提携しており、それぞれの店頭でSIMや端末を購入、サポートを受けることが出来るのも魅力です。
NifMo
初期費用:3,000円
データ通信月額:900円
容量:3GB
通話月額:700円
通話最低利用期間:6ヶ月
こちらも老舗プロバイダーNiftyが提供するMVNOです。
大手プロバイダーが提供するだけあって、通信速度も評価が高く、安心して使えるサービスです。
また、NifMoバリュープログラムという変わったシステムを導入しており、提携の飲食店で食事をしてレビューを投稿したり、提携ショッピングサイトでショッピングをすると、月々の利用料金が割引になると言うシステムがあります。
こちらを利用すれば、月額負担を上記金額以上に減らすことも可能です。
ぷららモバイルLTE
初期費用:3,240円
データ通信月額:2,980円
容量:無制限
通話月額:756円
通話最低利用期間:6ヶ月
データ通信容量が無制限というのがウリの格安SIMがぷららです。
ただし、回線速度が通常の格安SIMであれば150Mbpsや225Mbpsであるのに対し、3Mbpsに固定されてしまいます。
とはいえ、格安SIMでは仕様上225Mbpsであっても、各業者の設備の状況などによって、通常は数Mbps〜20Mbps程度しか出ないことが多く、通常のネットサーフィンでその差を実感できる機会はあまりないでしょう。
通信容量の残りを気にしたくない方におすすめです。
どうしても格安SIMでiPhoneを使いたい場合には…
現在ドコモやauのiPhoneを持っていないが、格安SIMをつかってiPhoneデビューしたいという方も、少なからずいると思います。
しかし、iPhoneは中古でも価格が下がりづらく、どうせなら新品、せめて新古品くらいの端末を使いたいところです。
そんなユーザーのために、なのかはわかりませんが、AppleはApple StoreでSIMフリー版iPhoneを販売しています。
仮にdocomoで月々サポートを利用した場合の実質負担金はiPhone6 16GBの新規契約で9720円なので、8万を軽く超えるSIMフリー版はかなり割高に感じられますが、月々の支払額が4000~5000円安くなると思えば、2年間での支払額は若干格安SIMが安くなります。
しかし、携帯料金を大幅に節約できるという格安SIMを選ぶメリットは薄れてしまうため、新規でiPhoneを買って格安SIMに乗り換えるというのはあまり得策では無いかもしれません。
((書いた人:考務店)