各地でDIY講座や木工教室などのイベント、新川崎・柏の貸し木工房をおこなっているDIYアドバイザー「ばんちか工房」の番匠智香子です。
冬は日が短く寒いので家にいる時間が長くなるかと思います。模様替えや引越の準備をしていて、家具を動かした時に引っかき傷が・・・色が変わってしまう傷は特に目立ってしまいます。そこで今回はフローリングの傷の補修についてご紹介します。
フローリングの種類
一戸建て、マンション、アパートとどのタイプの住居にも必ずと言っていいほど使われているのがフローリングです。
フローリングには大きく分けて無垢材や集成材の木のみで作られた単層フローリングと化粧板を合板などの表面にはった複合フローリングがあります。
複合フローリングは薄い板をはってあるものや樹脂加工などを施した化粧シートを貼ってあるものなどがあります。一般的な住宅には複合フローリングが多く使われています。
そんな馴染みのあるフローリングですが、ふと気が付くと傷がついてしまっていることも。一度気が付いてしまうとそこの部分が妙に気になってしまう・・光があたると特に目立って見えますよね。
フローリングの補修は専門業者に頼んで直してもらうことも出来ますが、自分でおこなえば安上がりです。プロのようには上手くいかないかもしれなせんが、目立たなく補修することは可能です。
フローリング補修材
ホームセンターなどでフローリングの補修材は手に入ります。クレヨンタイプやコテで溶かして使うタイプなど種類も様々です。
クレヨンタイプ
一番手軽なのはクレヨンタイプです。こちらは100円ショップでも販売されています。クレヨンタイプはホームセンターでは1本300円くらいで購入することができ、色の種類も豊富なので近い色味を探すことができます。
しかしフローリングを持っていく訳にはいかず、なかなか近似色を見つけるのは大変という方には何種類かセットになっているタイプが便利です。
電気ゴテ
本格的なものでは電気ゴテで溶かして使うタイプがあります。調色もしやすく本格的な補修がおこえます。電気ゴテのセットで4,000円程度するので、こだわって直したい方にはこちらがオススメです。
ペンタイプ
表面の浅い傷には表面を着色するマニキュアタイプが便利です。埋めるほど傷が深くない引っかき傷やすり傷、色あせ等にはこちらを使って補修しましょう。
フローリング補修はそれぞれの傷に合わせて補修をおこないます。
クレヨンの使い方
まずは補修する周囲をきれいに掃除します。
1.すりこみ
そしてクレヨンを傷に対して直角にあてて全体にすりこむようにします。少し盛り上がるくらいまでおこないます。
2.余分を削る
そして余分なクレヨンを、ヘラを使って傷にそって平行に削ります。周囲のはみ出したクレヨンも削りましょう。
3.拭き上げ
最後に周りだけを布で軽く拭いて出来上がりです。
POINT
①床暖房フローリングの場合は床暖房の熱で溶けてしまう場合があるので、専用のクレヨンを使用してください。
②クレヨンタイプを調色する場合はカッターでクレヨンを削り、スプーンの上にのせて下から温めて溶かしてよく混ぜ合わせてください。量が多いと溶けづらくなってしまうので傷に合わせて少量ずつ調色しましょう。
③寒い時期などクレヨンが固くて傷に入りづらい場合はドライヤーで温めると傷に埋めやすくなります。
④傷が深い場合はフローリングの表面よりも少し淡い色を、傷が浅い場合は濃い目の色を選びましょう。
電気ゴテの使い方
クレヨンと同様、まず周囲を掃除します。
1.溶かして埋める
周囲の色と近い色を選んで、専用ゴテを暖めてからスティックを溶かして傷に埋めます。やや盛り上がるように埋めていきます。
色が合わない場合はコテ先で色を混ぜ合わせて、色を作りましょう。
2.保護剤を塗る
耐熱保護剤をスティックを埋めた周囲のフローリングに保護剤をたっぷり塗ります。
ヘラの幅よりも広く塗るようにしてください。
3.平らに削る
電気ゴテを45°くらいの角度に傾けて、盛ったスティックを数回に分けて少しずつ溶かしながら削っていきます。この時、手前に引くようにして平らにしていきます。
4.ツヤ出し
平らになったら、スチールウールで円を描くように軽くこすって、ツヤを出します。
5.仕上げ
木目用のペンを使い、途切れた木目を描いていきます。出来るだけ細かい細い線を書いて仕上げていきましょう。もし濃くなってしまった場合はスチールウールで軽くこすり、ぼかすようにしていきましょう。
ペンタイプ
ごく浅い傷や色あせに使えるタイプです。
1.色を選ぶ
補修する箇所と同様の色を選びます。傷隠しにはフローリングに近い色を木目補修の場合は木目に使っている色を選びます。傷に一度入ると取れなくなってしまうので、目立たないところで色の確認をおこなってください。
2.書く
色を塗っていきます。木目の場合は周囲の木目に合わせてなるべく細かく描き込んでいきましょう。
補修後でも傷やへこみが目立つ場合はクレヨンを使って傷を埋めていきましょう。その後、木目を描いて仕上げます。
今回の仕様したタイプは先が筆ペンタイプになっているので、細かく線をひくことができます。フローリングの細かい木目を描くのに向いています。
最後に拭いて完成です。
ダーク系のフローリングに白い傷後はかなり目立ってしまいます。簡単に補修できますので、試してみてはください。木目描きは範囲が広くなってくるとかなり根気が必要になってきますが、できるだけ周囲と合わせて描きこむと仕上がりがきれいです。
自分で補修した部分が上手くいかなかった場合は業者にお願いすることも可能です。プロがおこなうと驚くほど傷がわからなくなり、きれいに仕上げてくれます。クオリティの違いはわかるものの、ただ金額はそれなりにかかります。後からでもプロにはお願いできるので、まずは自分で補修してみましょう。もしプロに任せることが決まっている場合でも自分でおこなっておけばプロの技が実感できます。
普段から椅子の脚やテーブルなどよく動かすものには傷防止のフェルトを貼るなどの傷防止の対策をとっておきましょう。
(書いた人:ばんちか工房 番匠智香子)
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