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マリオの布教活動で稼ぐ??任天堂の取り組みからわかる新しい企業戦略とは

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任天堂といえば、日本が世界に誇るゲームメーカーです。そして、マリオやポケモン、カービィにドンキーコングなど、誰もが知っている大ヒットキャラクターを生み出してきた会社でもあります。

しかし、任天堂は著作権に対して非常に厳しい企業であることも、一部の人の間では知られた話でした。その昔、ニコニコ動画にポケモンを攻略していく動画がアップされ、私も毎日楽しみに見ていたのですが、それが突如として全部削除されてしまいました。人気動画となっていただけに、その動画の削除に多くの人から落胆の声があがったことは言うまでもありません。

その他にも、任天堂には過去に著作権がらみの事件がたくさんあり、「任天堂法務部 = 日本でもトップクラスの弁護士団」とまで言われているほど凄いんです。

そんな任天堂が先日発表したのが、「YouTubeでの自社タイトルの二次著作物の利用許諾」です。つまり、先ほどのポケモン攻略動画をYoutubeにアップしても良いと、任天堂が正式にOKを出したのです。

このニュースは大きな話題を呼びましたが、ここでは「なぜ任天堂がそのような方法をとったのか?」について考えてみたいと思います。

任天堂の著作物の二次利用許諾とは

著作物の利用許可に関して、任天堂はTwitterでこのようにつぶやきました。

一つ目のつぶやきは、Youtube上で映像を配信した場合に、その動画から生まれる収益を任天堂とGoogleで分配しているのでOKだと言うものです。実はこの仕組み、数年前からGoogleがYoutubeで導入しており、今回の任天堂のケースが初めてではないはずです。

①Youtubeには違法動画が大量にアップされている

②それらをいちいちチェックして削除するのは困難

③そこで、違法動画を削除するのをやめて、その動画から生まれる広告収益をGoogleと著作権保持者で分配する仕組みを作る

④違法動画がアップされるほど、Googleと著作権保持者は儲かる

個人的には、テレビ番組でこの仕組みが導入されると、テレビ局側が過去の番組をオンデマンド化しなくてもユーザーが勝手にやってくれるので良いなぁと思うのですが。。。

任天堂のファンとパートナーシップを結ぶ

今回のニュースでは、二つ目のつぶやきが大変すごいことだと思いました。二つ目は、上記の仕組みで発生した利益の一部を、動画をアップしてくれた人にお礼として還元しましょうというもの。これまで悪者扱いだった違法動画をアップしていた人が、一転して任天堂の宣伝部隊(パートナー)として、歓迎される存在になります

これまで違法と言われていた著作物の二次利用を許可してもらえるだけでなく、お金までもらえるとなれば、Youtubeは任天堂の動画で埋め尽くされんばかりに、爆発的に動画がアップされることになります。実はこれが任天堂の新しい企業戦略であると私は思いました。

なぜなら、動画がアップされればされるほど、任天堂が得られる広告収益が増えます。そしてそれ以上に、どれだけ動画がアップされようと、広告宣伝費が一切かからないのです。なぜならこれらの行為はユーザーが勝手にやっていることだからです。

私がかつて見た、「ポケモン攻略動画」のように、100万回再生を越える人気動画が生まれれば、「久しぶりにポケモンをプレイしてみるか」と思う人も増えるでしょう。まさにソーシャル時代ならではの宣伝方法の好例です。

まとめ

今回の取り組みは、任天堂に対して新しい収益源をもたらすだけでなく、広告宣伝にお金をかけることなく、ユーザーやファンが勝手に宣伝をしてくれるという、ソーシャル時代ならではの新しい仕組みだと感じました。

そして何より、「日本でもトップクラスの弁護士団を抱える」とまで言われた任天堂が、真っ先にこのような決断を下したことに大きな意義があったように思います。この取組を決定したこともまた、ある意味「日本でもトップクラスの弁護士団を抱える」任天堂だからこそできたことなのかもしれません。

参照

(書いた人:川原裕也

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