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いよいよ身近に? 注目のVRヘッドマウントディスプレイは?

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仮想現実空間を実現する「VR」という言葉がしばしばニュースなどにも登場します。一体「VR」とはどんな技術で、一体どんなことができるのでしょうか?

VRでなにができる?

目の前に広がる仮想現実世界、実際に自分が動けば、景色も連動して変わる。そういった、まさにCGの世界に自分が飛び込んだような体験ができるのがVRの特徴です。ロシアでジェットコースターのVRを試しているユーザーに、コースター落下中に背中を押したら大パニックになったという動画も一時期話題になりました。

それほどの没入感を得れるのがVRの特徴です。

HMDとVRの違い

VRではないHMDは以前から存在していました。ソニーの「HMZ」シリーズは品薄になるほどの人気で、家電量販店などでこれを見たことがある方も多いのでは無いでしょうか。このような以前からあるHMDは「映画館の再現」が主なテーマで、装着をすると20mの距離から750インチの画面を見ているのと同じ感覚になれるというような物でした。

しかし、VRはそもそも視界のほぼ全てが液晶に覆われる点で従来のHMDとは一線を画します。

遠くに巨大なスクリーンがあるのではなく、目に見える範囲全てに映像が表示されるというのは、限りなく現実に近い間隔をもたらしてくれます。さらにVRは本体にスマートフォンなどにも搭載されている傾きや加速を検知するセンサーが搭載されています。これによって、装着者が上を向けば上の景色が、後ろを向けば後ろの景色が見えるという、現実世界と同じ見え方を画面の中の世界でも実現できるのです。

Oculus Riftが切り開いた低価格VR

VRブームの火付け役となったのは、Oculus Riftと呼ばれる製品で、実はまだ一般発売はされておらず、VR用のソフトウエアを開発する開発者向けに出荷されていたのですが、300ドルという低価格でVRが体験できること
から、開発者だけで無く、多くのユーザーや企業にも購入されました。

その後も解像度を高くし、液晶から有機ELにパネルを変えて残像を減らした「DK2」と呼ばれるモデルを350ドルで販売し、ますますVRは開発者を中心に浸透していきました。

後続のGear VR、PlayStation VR

もちろん大手メーカーがこのような新興勢力の台頭を黙ってみているはずがありません。サムスンはOculus Riftと提携し、同社のスマホ「Galaxy」シリーズに対応したVR「Gear VR」を、なんと99ドルで11月から販売することを発表しました。

国内ではソニーが、今まで「Project Morpheus」という名称で知られてきたPlayStation4対応のVR製品「PlayStation VR」を2016年前半に発売すると発表しました。VRはゲームとの親和性が高いため、PlayStation4でVRが体験できるPlayStation VRはゲーム業界からかなり注目をされています。

ハコスコでらくらくスマホVR

VRの魅力はわかったけれども、どんな感じの物か体験したいだけで数万円は払えない!という方のためには、「ハコスコ」(http://hacosco.com/) をオススメします。

ハコスコは、段ボールとレンズを組み合わせた製品で、驚異の低価格、1000円で購入ができます。何故そんなに安いのかというと、ハコスコはあくまでケースとレンズがあるだけで、その他のVR製品が持っている「画面」「センサー」という中心部分を、ハコスコに装着したスマートフォンで代用させる仕組みになっています。

ハコスコはiPhoneとAndroidで使用可能で、対応したデモアプリは無料で配布されており、既存のゲームでハコスコに対応している物もあります。
実際に使ってみると、1000円でここまでVRが体験できるのか!と驚かされること間違い無しです。

VRの欠点

これまでに無い体験を提供してくれるVRですが、もちろん完璧なものでは無く、欠点や問題点もまだまだ残されています。最大の欠点は、制作者側にノウハウがまだあまりないことです。

実際に既存ゲームをそのままVRに対応させた物をプレイすると、首を大きく動かさないとゲームの進行ができなかったり、後ろを向いた状態で方向キーを前に押すと後ろ向きに歩く、などといった違和感のある動きをしてしまったり、どのように作ることが実際にプレイヤーにとってプレイしやすいのかと言った研究はまだまだこれからです。

また、初代PlayStationが登場した当初、「3D酔い」という言葉が広まったように、VRでも画面が細かく揺れたり、違和感のある動きをされると、ユーザーはその動きに対して脳が慣れていないため、場合によっては酷く酔います。

現在は3Dゲームが当たり前になり、3D酔いと言う言葉もほとんど聞かれなくなったので、これはVR自体が浸透することを待たなければならない部分も大きいと思われます。

次の映像視聴は8KよりVR!

映像業界では、4Kテレビの次は8Kテレビを想定しているところも多いですが、私たちに新しい体験をもたらしてくれるのは、むしろVRの方では無いかと感じます。8Kの解像度が必要とされるのは、このままテレビが大型化していった場合に画面が粗く見えることが主な原因ですが、映像マニア以外はそこまでの解像度を求めるよりも、ゲーム機にタッチセンサーを導入したNintendo DSのように、新しい体験を提供する方が市場に受け入れられるのではないでしょうか。

残念ながらブームにはなっても定着しなかった3DテレビもVRにおいては、物理的に右目と左目に違う映像を見せられるので、3Dメガネなどオプションを一切必要とせず利用できます。3D映像とセンサーによる全方位視聴という新しい体験は、人々の映像視聴のスタイルを変える可能性を大いに秘めているのです。

映画やゲームで、自分がシーンの中にいるようなリアルな体験ができるVRは、家庭での映像視聴の一つの形態として根付く日が近いうちに来るのかもしれません。

(書いた人:考務店)