世の中で目にする物は、何らかの形でお金が発生しています。
それは一見して無料に思える「Webサービス」でも同じことが言えます。
Webサービスでの稼ぎ方としては「広告」「課金」「EC」「仲介」の4パターンがあり、だいたい6つの種類に分けられます。
現在人気のWebサービスから「稼ぎ方」「ビジネスモデル」のヒントを探ってみました。
1.広告
自前のWebサービスに広告を張り、広告主から広告料をもらう方法です。
Webサイトの閲覧や無料ゲームや無料アプリなどを利用している際、広告が表示されることがありますが、その広告の広告料が運営者の収入源になる訳です。
広告モデルのルーツはTV、ラジオ、新聞など。
その仕組みをWebサービスに転用した典型例が、Yahoo! Japanなどの「ポータルサイト」です。
Yahoo!JapanのTopページの右に表示される大きなバナー広告は「Yahoo! JAPAN ブランドパネル トリプルサイズ」と言い、1週間で850万円かかります。1回表示=1円なので、850万円支払うと850万回表示される計算になります。
広告料を収入源にする場合、広告主に「広告費を払う価値がある」と思わせるWebサービスの作成が必要です。
広告費を払う価値の有無は、PV(ページビュー)数やアクセス数、利用者数、売上などで判断されます。
2.フリーミアム
利用は基本無料。有料機能を作り、利用者を煽って課金させる方法です。
フリーミアム(Freemium)とは「フリー(無料)とプレミアム(特別賞与、割増)」の合成語。
「有料購読」「プレミアム会員」「アイテム課金」などが、フリーミアムに当てはまります。
ルーツは無料サンプル、無料モニター。
CMで良く見るドモホルンリンクルの「無料お試しセット」は典型な例ですね。
【フリーミアムの例】
●LINE
LINE電話、有料スタンプや着せ替え
●ニュースアプリ「NewsPicks」
有料購読プラン(雑誌や新聞の掲載記事が月額1500円で読める)
●ニコニコ動画
プレミアム会員(無料会員よりも優先的な視聴が可能。生放送のタイムシフト機能が使える)
●アイテム課金
パズドラの「魔法石」、モバマスの「スタミナドリンク」など、オンラインゲームやソーシャルゲームに多い。
●クックパッド
プレミアム会員(月額280円で人気順や絞り込み検索などが可能)
●食べログ
プレミアム会員(月額300円+税で割引率の良いプレミアムクーポンがもらえる。ランキング・こだわり検索ができる)
フリーミアムで儲ける為に必要なのは「利用者数」です。
利用者の母数が多ければ多いほど、有料使用率や単価が低くても、膨大なお金が手に入ります。
例えば食べログの場合、月間利用者数は約6,074万人/月(2014年9月末現在)。プレミアム会員は累計50万人(2014年12月末現在)です。
有料会員数は0.8%程度と、課金してまで食べログを利用する人の割合は低いですが、それでも50万人がプレミアム会員継続の為に毎月324円支払っていれば、かなり大きな収益になることが分かります。
フリーミアムは「人気」と「利用者数」によって収益性が左右されるので、質の高いWebサービスを継続的に提供したり、人気を支える対策を取ったり、良く課金している人の傾向に合わせたサービスの実施をする必要があります。
3.有料コンテンツ
利用者が読んだり、利用したりする為に、料金を支払う方法です。
有料コンテンツのポイントは、独占的、排他的で「お金を払っていない人には見せない、利用できない」こと。
フリーミアムと重複するWebサービスも多いです。
【有料コンテンツの例】
メルマガ:「堀江貴文のブログでは言えない話」、「中村うさぎの死ぬまでに伝えたい話」、「イケハヤマガジン」など。
アプリ:ウイルスバスター、ATOK、キングソフトオフィス、大辞林、ジーニアス英和大辞典・和英辞典
情報商材:株やFX、アフィリエイトの指南、バストアップやダイエットなど1万円以上する美容動画
コミュニケーション:恋愛系サイト、婚活系サイト、年賀状サービスなど
最近は何でも無料で利用できるWebサービスが増えているので、利用者に「お金を支払う価値がある」と思わせるコンテンツを作成するのが必要不可欠です。
有料コンテンツで利益を上げるには、フリーミアムと同じく「利用者数、単価、定期継続に必要な質の維持、一定のリピーター率」が求められます。
4.物販
物販は商品を仕入れて、ネットで売り、販売代金から収益を得るタイプです。ルーツは小売店、百貨店。
例えばAmazon、楽天、ゾゾタウン、Yahoo!ショッピングなど、ECサイト全般が当てはまります。
儲けるポイントは「価格、品ぞろえ、利便性、希少性、専門性」など、競合と比較した際にメリットになる何かしらの付加価値や差を付けること。またアフターサービスなどでリピーターの確保も大切です。
5.委託販売
自分では在庫を持たず、外部から委託された商品を販売して、手数料から利益を得ます。
商品の価格設定や製造などは、ウェブサービスの運営者ではなく委託者が行ないます。
同人誌の委託販売、レンタルボックスの運営をイメージすると分かりやすいかもしれません。
委託販売のWebサービスとしては「ドロップシッピング」が有名です。
アフィリエイト+ネットショップを組み合わせたもので、サイトオーナーが推薦する商品の値段を自由に設定。商品が売れた時に、卸価格との差額が利益になります。
在庫を抱えずに済むので「低リスク」ですが、薄利多売になるので「がっつり儲けよう」と思う場合は向いていません。
6.仲介場所の提供
Web上に仲介場所を作り、売りたい物がある人や企業から「利用料」や「手数料」、「仲介料」を徴取する方法です。
【例】
総合:ヤフオク、楽天オークション、モバオク、Amazonのマーケットプレイス、eBay(イーベイ)、フリマアプリ
ファッション:BUYMA(バイマ)
ハンドメイド:minne(ミンネ)、tetote(テトテ)、Creema(クリーマ)
不動産:SUUMO(スーモ)、HOME'S(ホームズ)、at home(アットホーム)
転職:エンジャパン、リクナビNEXT、マイナビ転職
上記のWebサービスの例を見て分かるように、何かに専門性がある「特化型」にすることで、成約率の高い利用者へ集中したアプローチが可能です。
収益性を上げるのに大切なのは「業界の専門知識やネットワーク、利用者数、成約率、単価、リピーター率」など。
ネットだけで完結せず、実店舗の運営と併用して行なう場合も多いです。