昨日、正式にアナウンスが来ましたが、グーグルが提供している広告配信システムGoogle AdSenseに「関連コンテンツ」という新しい機能が追加されました。
広告出稿者と広告配信者の仲介をしてくれる「AdSense(アドセンス)」は、多くのブロガーやサイト運営者にとってはなくてはならない存在です。今回提供された機能は、直接的に収益を得るものではなく、あくまでもサイト内の関連ページを表示するプラグインとなっています。
また、残念ながらすべてのサイト運営者が利用できるわけではなく、一定のアクセス数とページ数があるサイトに限定されています。
新機能「関連コンテンツ」 - ユーザーひとりひとり合ったコンテンツを提案しましょう
関連コンテンツ、かなりおすすめです
Google広告のコンテンツマッチ機能の精度が圧倒的に高いことは、多くの方が経験したことがあると思います。例えば、トヨタのサイトに一度アクセスすると、ウェブ上の広告が全部トヨタだらけになる。みたいな。
おそらく関連コンテンツはAdSenseと同じ仕組みを使っているので、当然ながら記事の内容と関連コンテンツに表示されるマッチング率が極めて高いと予想されます。(どういうアルゴリズムになっているのかは不明ですが)
AdSenseの公式ブログでも「ひとりひとりのユーザーにカスタマイズされたおすすめコンテンツを表示」と書かれています。これまでの関連記事プラグインの中でも、この仕組みは画期的。
ひとりひとりのユーザーにカスタマイズされたおすすめコンテンツを表示することで、サイト全体のページビューや広告表示回数が増え、結果的に広告収益の増加にもつながります。
関連コンテンツ ユニットでは、おすすめコンテンツを表示するページを選択することで、そのページを閲覧しているユーザーと関連性の高い記事コンテンツがサイト内から自動的に選ばれて宣伝されます。関連コンテンツでのおすすめはトピックの類似性に基づいており、個々のユーザーに合わせてカスタマイズされます。
ベータ版導入時のデータをちょっと公開
クートンでは、数ヶ月前にベータ版の案内が来ていたので、クレジットカード広場というサイトで試験的に導入していました。
見た感じはこんな感じです。
スマートフォーンだとこんな感じ。
驚異的なCTRの高さを実現
関連コンテンツユニットを導入してみて感じたのは、驚異的とも言えるほどCTR(クリック率)が高いことです。もともと、AdSense広告はCTRが高い傾向にありますが、今回の関連コンテンツユニットは広告ではなく、サイト内のコンテンツを表示するものなので、広告が嫌なユーザーにとってもメリットがあります。
ベータ版の時は毎週メールでレポートが届いていましたが、現在は他のAdSenseユニットと同様にグラフ付きのレポートで閲覧できるようになっています。
これはとある週の週間データです。
配置場所によってもクリック率は大きく変わると思いますが、デスクトップサイトで18%以上のクリック率を叩き出しました。かなりアバウトですが、このパフォーマンスが出せた場合、仮にサイト内の全ページに掲載すると、ページビュー全体を10%ぐらい底上げできるんじゃないかと思います。
ちなみに、上記画像のうち上部はスマホ、下部はデスクトップです。スマホでのパフォーマンスが高くないのが少し残念ですが。
関連コンテンツ掲載のルール
関連コンテンツを掲載するにあたって、いくつかのルールが設けられています。
「おすすめ記事」などの見出しを付けてもOK
2015年4月30日:追記しました
Google AdSenseの関連コンテンツ機能では、「関連コンテンツ」や「おすすめ記事はこちら」などの見出しを付けることが許可されています。本来、AdSenseの規約では「おすすめの広告」「クリックしてください」などの見出しを付けることはNGとされています。
しかし、関連コンテンツ機能に関しては、見出しを付けることで、ユーザーに対して関連コンテンツプラグインが表示しているリンクが「関連リンク」であることを明示できます。
この件は、ベータ版のヘルプには掲載があったように記憶していたのですが、本リリース後ヘルプから削除されていたので、AdSenseのポリシーチームに確認をとった上で追記いたしました。
実際に弊社のサイトでもこのように掲載しています。
ページ内にいくつでも貼れる
関連コンテンツ ユニットは Google コンテンツのページあたりの広告数の上限にはカウントされません。
AdSenseは、1つのページ内に掲載できる広告ユニットの上限が3つまでと決まっています。しかし、関連コンテンツユニットの掲載は「1つ」にカウントされません。また、上限も設けられていないので、原則としてページ内にいくつでも掲載可能です。
対象となるのはGoogle広告を導入しているページのみ
おすすめコンテンツが抽出される対象ページは、Google 広告ユニットか関連コンテンツ ユニットが配置されているページに限られます。
関連コンテンツとして表示されるリンク先には、必ずAdSenseか関連コンテンツユニットを掲載していなくてはなりません。
一定規模のサイトのみが導入可能
すべてのサイト運営者に解放されるのを心待ちにしていたのですが、残念ながら現状は「一定規模のアクセス数があるサイトのみ」が関連コンテンツユニットを導入できるようです。
なお、関連コンテンツ機能はページ数がある程度あり、トラフィックの多いサイトでのみご利用いただけますことご了承ください。
- トラフィックの多さ(アクセス数)
- ページ数の多さ
この2つが導入可否の判定対象となっています。
これは私の勝手な予想ですが、関連コンテンツの導入に必要なページビューは月間50万PVくらいなんじゃないかなと思っています。また、サイトのアクセス数ではなくて、AdSenseが貼ってるページのアクセス数である点にも注意です。例えばクートンブログでは現在、AdSenseを導入していないので当然、関連コンテンツユニットは使えません。
■関連コンテンツが使えるかどうかを確認する方法
確認方法は以下の通りです。
まずはAdSenseの管理画面にログインし、画面右上の歯車アイコンから「設定」を選びます。
次に個人設定画面で「サイト管理」を選択。
右側に「関連コンテンツ」の利用可否が表示されます。
なお、これは定期的に見直しされるとのことなので、サイトのアクセス数が上がると「不承認」が「承認」に変わる可能性があります。
なお、サイトの状況は定期的に審査されるため、トラフィック量やページ数が増えた場合にはステータスが変わる可能性があります。状況に応じて、このステータスを随時ご確認ください。
導入はAdSenseと同じで簡単
導入方法は簡単です。
通常通り、AdSenseの「広告の設定」から
「新しい広告ユニット」を選択。
広告タイプから「関連コンテンツのみ」を選択します。
あとは通常のAdSenseと同じく、発行されたコードをサイトに貼り付けるだけです。
最後に
デメリットは特にありません。しかし、関連コンテンツを導入することでサイトのページビューは増加するものの、その分ユーザーが広告をクリックしなくなることで広告のCTRが低下する懸念がある。と言った注意も、公式のヘルプページには書かれています。
弊社はどちらかというと小規模サイトをいくつも作るタイプなので、関連コンテンツユニットが導入できるサイトも限られます。このブログでも導入したいのは山々なので、そのうちブログのどこかにAdSense導入しようかなと検討している最中です。
※1点、現在Googleに確認をとっている事項があるので、分かり次第追記します。(2015年4月30日:Googleのポリシーチームと確認が取れたので、関連コンテンツ上部の見出し掲載について追記しました。)
(書いた人:川原裕也)