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節税メリットも大きいふるさと納税の活用法と注目点まとめ

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すでに報じられているところですが、先日、パソコンメーカー・バイオ社がふるさと納税の返礼品(納税者にお礼として贈られる品)として、自社のノートパソコンを採用したところ、これがネットを中心に大きな話題に。たった1カ月で、前年度の25倍の申し込みとなりました。

そうしたニュースを見て「ふ~ん」「自分には関係ない」と思うのは早合点。また、そもそも納税というものにあまりピンと来ておらず、そもそもふるさと納税というものがどんなものなのか、いまいちわからないという人少なくないのでは? ふるさと納税は、誰でも気軽に納税でき、特に、この1月から控除金額が2倍になったことで、節税メリットも大きい。まずは、どんな制度なのか、そもそもから説明しましょう。

ふるさと納税とは?

ふるさとの納税とは、個人が自治体に行うことができる納税のこと。納税という名前ですが、法律上は寄付金として扱われます。自治体というのは、自分の出身都道府県や現在住んでいる地域でなくてもOK。自分が応援したい都道府県や好きな都道府県に寄附金を送ることができるという仕組みです。

例えば、住民税を納税したとしても、その金額が実際日々の暮らしの何に使われているのか、一つひとつ国民が知ることは難しいもの。しかし、ふるさと納税の場合は、

「震災からの復興に向けた●●の建築」
「子宮頸がん予防ワクチンの医療支援」

のように、各自治体ごとに使途を明文化しているのが特徴です。寄附金の最低金額は各自治体によって様々ですが、寄附金によって控除を受けるためには、最低でも2000円以上の金額となります。そもそも、「控除って…?」という内容も合わせて、後述「節税メリット」にて説明します。

特産物や地域の課題解決、探すとイロイロ!

ふるさと納税を寄付することによって、得られるメリットは2つ。

1つめは、各自治体からの返礼品。
いったいどんな返礼品があるのか、2015年7月25日現在、ふるさと納税の返礼品として各自治体が発表している返礼品は、たとえば以下の通りです。

●各自治体の返礼品例

  • 北海道美幌町 美幌和牛の箱詰めセット
  • 山形県三川町 つや姫10kg+パックライス4
  • 山梨県山梨市 ど根性ガエル作者サイン入りTシャツ
  • 茨城県つくばみらい市 プレミアムキャロットジュース
  • 島根県飯石郡飯南町 海と山のコラボアイスセット
  • 福岡県柳川市 本格炭火 うなぎの蒲焼きセット

●各自治体への課題解決寄付例

  • 北海道士幌町 旧国鉄士幌線第三音更川橋梁の保全
  • 群馬県 ぐんまちゃん応援
  • 京都府 京都府社寺等文化資料保全補助金
  • 島根県飯南町 環境を守る森づくり便関する事業
  • 佐賀県 Ⅰ型糖尿病の子どもたちのための治療研究
  • 沖縄県八重山郡与那国町 カジキ釣り大会・一周マラソン大会等イベント事業

各返礼品については先着順や数量制限があるものもあり、寄付から配送時期までは収穫や送付手配などの手続きのため、ややタイムラグがあるものもあります。あらかじめ、ふるさと納税関連のポータルサイトなどで配送時期について確認しましょう。

確定申告不要も? ふるさと納税の節税効果

ふるさと納税で得られるメリット、2つめが税金の控除による節税効果。

控除とは、個人が納める税金を計算する際、婚姻や子の有無などの生活状況、住宅ローンや医療費など年間の支払い状況に応じて、軽減される税負担金額のことです。

控除にはたくさんの種類がああるのですが、「寄附金」もそのひとつ。「国が定める「特定寄附金」にあたる支出がある場合、金額に応じて一定の額面が控除され、その金額を「寄付金控除」といいます。

ふるさと納税による寄付金も、この「寄付金控除」の適用となり、寄付した金額に応じて住民税が控除される仕組みです。

ふるさと納税によって控除される金額は、4つの合算値で、それぞれの計算式は以下のようになっています。

(あ)所得控除
計算式:(寄附金額-2000円)×「所得税の限界税率」

(い)復興特別所得税分
計算式:(あ)×0.021(復興特別所得税の税率2.1%)

(う)基本控除
計算式:(寄附金-2000円)×10%

(え)特例控除
●寄付金額から2000円差し引いた金額が「個人住民税所得割額」の20%以下の場合
計算式その1:(寄附金-2000円)×(0.9-「所得税の限界税率」×1.021)

●寄付金額から2000円差し引いた金額が「個人住民税所得割額」の20%を超えるの場合
計算式その2:(個人住民税所得割額×0.2)

こうして計算された(あ)+(い)は還付金として振り込まれ、(う)+(え)は住民税控除額として、翌年の住民税から差し引かれるという仕組みです。

どのくらいオトク? 月給25万円の人でシミュレーション

では、年収300万円のひとが寄附をした場合、しない場合に比べて、どのくらい住民税がおトクになるのか? 年齢や保険料率によって毎月給与から天引きされている保険料金額も異なるため、一概には言えませんが、30歳・単身者で計算すると、ざっと以下の通り。

●1万円寄付した場合の住民税・所得税控除額

所得税 400円
住民税 7600円

ちなみに、同条件の場合、2万9398円までの寄附なら、自己負担が2000円で済む計算になります(その時、所得税の控除額は1300円/年、住民税は2万6000円/年)。

「結局、寄付して払うか、あとで住民税として払うかの違いだけなのでは?」と考える人も少なくないかもしれませんが、実質負担額が2000円程度にして、全国の新鮮な特産物が手に入れながら税金を減らしている、と考えるとトクが多いように思えませんか?

ふるさと納税のあるある間違いに注意!

ニュースなどで取り上げられることが多くなったからか、ふるさと納税の仕組みについてよく調べず、「ちょっと安価に様々な特産品が食べられるもの」という意識で寄付し、失敗している事例も多いようです。

ふるさと納税を検討するにあたって、以下に注意しましょう。

確定申告不要かどうか、確認すること

確定申告不要な人は年収2000万円以下の会社員であり、給与収入が1カ所からのみの人、寄付自治体が5カ所以下など、制限が決まっています。その条件からひとつでも外れる人は確定申告の必要があります。

医療費を確定申告しようとしている

例えば家族がいて年間10万円以上の医療費を支払っている場合、10万円を超えた分は控除扱いになりますが、これを利用する場合も確定申告が必要です。

そもそも自分に課税所得がない

意外と多いのがこの事例。特に主婦層に多く、ギフト感覚で寄付をしたものの、自分に所得がない場合は控除もなく、ただ単に割高で地方特産物を買い物してしまっただけ…ということも。妻帯者の方は、奥様にもきちんと周知しましょう。

ニーズの高まりからか、ふるさと納税に関する情報・ポータルサイトは充実しています。正しい知識を身につけて、賢い節税につながると良いですね。

(書いた人:考務店)