私事ではありますが、株式会社クートンに入社して、今年の4月で入社4年目を迎えます。
就活時は「物を書いて食べていきたい」「文章が書ければ仕事内容はあまり問わない」という考え方だったので、私の入社前のSEOやアフィリエイトに関しての知識は「名前や概要を少し知っている程度」でした。
それでも何とかこの業界で4年目を迎えられそうなので、今回のクートンブログ「アフィリエイト塾」では、入社から現在に至るまでの約3年間を振り返ってみて「この部分は入社の頃と大きく変わったな……」と思うことを、まとめてみました。
サイトを訪れる人の変化
不特定多数によるSNSでの拡散力は低下気味
「SNSによる拡散」に関しては、月々サイトに及ぼす影響力が弱まっているように感じます。
自サイトへの影響としては「はてなブックマークで人気エントリーに掲載」や「Gunosyに掲載(グノシー砲)」が起こっても、アクセス数が以前よりも急激に跳ね上がることは、ほとんど無くなりました。
クートンブログ(2014年7月より開始)を例に取り上げてみると、2014年10月公開した「20万円かけてランサーズでロゴマークを募集してみてわかったこと」は、1記事だけで、はてなブックマーク数が472個付きました。
しかし2015年ベースは約330個。
内容は特に劣っていないはずなのに、1年間の総合計よりも、去年のたった1記事の方がはてブ数が多いという事態に陥っています。
SNSでの拡散力に関しては、勢いや威力が顕著に無くなっていることを感じる人(特にブロガーさん)は多いのではないでしょうか。
ちなみにSNSでの拡散が軸となる「バイラルメディア」も最盛期と比較して、あまり話題に上がらなくなった(TwitterやFacebookのTLで見かける機会が減った)ように思います。
最近ではインパクトや話題性のある動画や画像に関しては、バイラルメディアではなく、個人アカウントやBOT系から発信されるケースが目立ちますね。
また最近になりTwitterの仕様変更で記事に言及やRTした数を表示した「ツイート数」が見えなくなったのも痛い所。結果的に、記事に対して呟かれる回数も減ったというデータも提示されています。
11/20から、ツイートボタンに「シェア数」が表示されなくなったことでの影響。
ツイートされる回数が、変更前(12.3%)→変更後(11%)と約1割減ったと(30万サイト調べた結果
https://t.co/fACIHhzpMk pic.twitter.com/YqUszx3vtA
— アプリマーケティング研究所 (@appmarkelabo) 2015, 12月 10
ツイート数が可視化されることで「自分も呟いておこう」という気持ちが起こりやすいのですが、見えないと「これ、呟いても良いのだろうか……?」と躊躇することが増えがちです。
実際に「そこそこ記事について呟く方」だった私も、ツイート数が非表示になってからは呟く機会がめっきり減ってしまいました。
ちなみに今現在も、サイトのアクセスが飛躍的にアップするのは「TV番組で、サイトで紹介している商品や話題が紹介された時」です。
「TVで紹介された○○○についてもう少し詳しく知りたい」という時に、ググった人が、上位表示された自サイトの記事を読み、1~2日ほどはアクセス数が跳ね上がる……という感じです。
これからのサイトに関しては、流動性がある不特定多数ではなく、特定多数に拡散してもらうことが、より重要視されるように感じます。
見知らぬ人々の大量RTよりも、信頼のおける人の一つの呟きの方が価値を増すようになる。
その為には、良い記事を書き「固定ファンを獲得する」ことが必要不可欠です。
スマホからのアクセスは全体の6割以上
パソコン、スマホ、タブレットなど、1つのHTMLファイルでデバイスの画面サイズに対応する「レスポンシブWebデザイン」や「スマホで見やすいサイトデザインを」と盛んに言われ始めて、各Webサイトがスマホ対応に取り組み始めたのは、2012年~2013年頃でしょうか。
今では「スマホ対応」が当たり前になり、サイトによって比率は多少異なりますが、アクセスの6~8割はモバイル(≒スマホ)が占めているのが現状です。
各サイトのデバイスの比率を調べてみましたが、年々モバイル率が増加、デスクトップ率が減少していることが良く分かります。
タブレットに関しては、普及率は他と比べて低いので、それほど大きな変動は無い感じですね。
【Aサイト】
20代後半~40代の子育て世帯向けの宅配サービスを紹介。
モバイル | デスクトップ | タブレット | 2012年 | 12.86% | 85.71% | 1.43% | 2013年 | 35.66% | 58.20% | 6.14% | 2014年 | 47.59% | 46.12% | 6.29% | 2015年 | 63.54% | 29.95% | 6.51% |
【Bサイト】
20~30代(男女問わず)向けの宅配サービスを紹介。
モバイル | デスクトップ | タブレット | 2013年 | 50.74% | 42.74% | 6.53% | 2014年 | 59.18% | 34.02% | 6.80% | 2015年 | 67.75% | 25.32% | 6.93% |
【Cサイト】
10代~30代女性向けの美容に特化した情報サイト。
モバイル | デスクトップ | タブレット | 2014年 | 83.33% | 13.93% | 2.74% | 2015年 | 85.00% | 12.25% | 2.75% |
【Dサイト】
年齢・性別問わずの通販&情報サイト。
モバイル | デスクトップ | タブレット | 2013年 | 77.80% | 12.54% | 9.66% | 2014年 | 68.35% | 25.02% | 6.63% | 2015年 | 65.38% | 28.49% | 6.13% |
ユーザー属性を考えると、ターゲット層が若ければ若いほど、モバイルの割合が顕著になります(例:Cサイト)。
記事は「スマホからの見やすさ」に特化
アフィリエイトを専業で行なっている人は「パソコンを使って記事を書く」「パソコンから完成した記事を読む」という機会が圧倒的に多いと思います。
ただし「サイトを訪れた人の10人に6~8人がスマホから見ている」ことを考えると、記事はスマホからの見やすさに特化した方が「文章が読みにくいから読むのを止めよう」という気を起こさせずに済みます。
これは一人あたりの滞在時間を伸ばしたり、ページ/セッション数を増やしたりすることにも繋がります。
私が「スマホライクな記事にする為に」普段気をつけていること、簡単にまとめてみました。
- 画像は幅いっぱいに表示する
- 文字が画像の左右に回りこむように設定しない
理由:画像横に文字があると、スマホだと非常に読みにくい場合が多い。
- 大きいバナー広告や関連リンクを記事途中に連続して張らない。
理由:記事の途中でスマホ画面いっぱいに広告や関連記事のバナーが大きく貼られていると「この記事ってこれで終わり?」と思うことがあるので……。スクロール時の誤クリック防止にもなる。
- 1~2行で改行。適度に空行を入れる
- 太文字や色文字を使った強調は1キーワードや1行程度
理由:適度な余白を与えることで、文章の詰まり過ぎを減らして、読みやすくする工夫。
1画面で見た時に、太字や色文字がやたらと多くて長いと、結局、何が重要なのか分からなくなってしまう。
毎回では無くても良いですが「自分が書いた記事は、スマホユーザーからどのように見られているのか?」を意識することで、より読みやすい記事に仕上がります。
長文SEOは既に古い?
半年ほど前に最も効果的なSEOとして「1記事の文章量を増やして長文(1万字)を書く。公開した後も追記をする」という長文SEOが盛んに取り上げられていました。
詳しい長文SEOに関する説明は、こちらの記事を参照下さい。
ただし、長文SEOも既に衰退期に入ったような気がしてなりません。
「コンテンツ重視」は相変わらずですが「それが長文で無くても良い」という感じ。
以前、長文SEOの盛りだった時期に「毎月1本、1万文字の記事を書いて下さい」と言われたことがあります。
結局、2~3本しか書かなかったのですが、その記事が特定の検索キーワードで上位表示されることも無く、アクセス数に大きな変化も無かったので、実体験として「長文SEOは効果があったのか?」は良く分かっていません……。
ユーザーライクな「質の高い記事」は変わらず需要あり
たとえ長文SEOが今後衰退の一途だとしても、やはり「質の高い記事」に対する需要は、今後も変わらないように思います。
それはユーザーが調べ物をしたり、記事を読んだりした時に、最も役に立って評価されるのは「内容と情報がきちんと書かれた、いわゆる質の高い記事」だから。
「質の高い記事」というのは、なかなか曖昧な表現ですが、
- ユーザーが知りたい情報を的確に提供する
- 書かれた内容に専門性、オリジナリティがある
- メリットだけではなく、デメリットにも言及する
- 内容の間違いを減らす
- 誤字脱字が無くて文章が読みやすい
- 古い情報を更新する
- 必要な関連リンクだけを貼る
を意識するかしないかでも、だいぶ変わってくるように思います。
最後に
2016年はどのような年になるのでしょうか。
Webの世界は日進月歩。栄枯盛衰も激しいもので、昨年は全体的におとなしい印象があったので、今年はGoogleのアルゴリズムが変わったり、効果的なSEOの手法が出てきたり、新しいメディアが台頭してきたりと、めまぐるしい年になる可能性は充分に考えられます。
株式会社クートンでは、これからも皆さんのお役に立てるような記事作りを努めていきますので、今年も宜しくお願いします。
(書いた人:昼時かをる)
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