クートンは少人数の小さな会社です。
社員が少ないことは、小回りが効くという強みがあります。一方で、事務処理などが増えてしまうと、その作業に時間が取られてしまい、本来やるべき仕事に時間が割けなくなるのが弱みです。
よって、事務作業の時間をできるだけ減らして、メインの仕事時間を少しでも多く確保することは、小さな会社を成長させていく上で、とても大切なポイントだと思っています。
ということで、今日は2015年のまとめとして、
- 社内で導入したアイテム
- 私が個人的に導入したアイテム
を紹介します。
会社で導入したもの(8アイテム)
- チャットワーク
- 社員用の法人クレジットカード
- MFクラウド会計
- 請求書作成サービス「Misoca(ミソカ)」
- 社員用のモバイルWi-Fi
- FireShot
- Windows10
- Wordpress(ワードプレス)
個人的に導入したもの(6アイテム)
社内で導入したもの(8アイテム)
いずれも効果の高いものばかりで、作業効率も大きく上がったと思っています。
チャットワーク
メールよりもLINEでやり取りする方が便利ですよね?
ビジネス向けコミュニケーションツール「チャットワーク」は、簡単に言うとビジネス向けのLINEです。チャットを使って社内・取引先とメッセージのやりとりをしたり、グループチャットを作って、プロジェクトのメンバー同士でやりとりができます。
すでに弊社の取引先でも数多く導入されており、クートンでは採用がかなり遅かったみたいです(笑)
社内ではこれまでGmailを使っていたのですが、現在は日報などを除いて、ほとんどチャットワークで意思疎通しています。最初は海外で人気のSlackというチャットツールを試してみたのですが、チャットワークの方が使いやすかったので、すぐに乗り換えました。
チャットワークの料金プランは以下のとおりです。
フリープラン(無料)
グループチャットは14個まで。1対1のビデオ会議と、5GBのストレージが使えます。お試しプランと言う感じですが、チャットワークを使っていない外部の人にちょっと使ってもらう程度であれば、このプランで十分です。
パーソナルプラン(月400円)
グループチャットが無制限、ビデオ会議は最大4人まで。個人事業主やフリーランサー向けのプランです。
ビジネスプラン(月2,000円・年20,000円)
弊社が導入したプラン。社員のアカウントが管理できるので、会社で導入するならこちらのプランになります。ストレージの容量が100GBで、ビデオ会議は最大14人まで。メンバー数10人までは一律料金で使えます。(それ以上は人数に応じて課金)
特に、iPhone・Androidアプリが用意されているチャットワークは、外出先や移動中でも、LINEで返信する感覚でメッセージが打てるのが強みだと思っています。
社員用の法人クレジットカード
社員が権限の範囲内で、私の許可なく経費を使えるようにしました。
これまでは、社員が必要とする備品などの購入は、事前に連絡してもらって私が買う、または稟議書みたいなものをエクセルで作って、許可したものだけを買ってもらうという流れでした。
しかし、それだとやりとりに時間がかかるため、ある程度は社員に権限を委譲して、必要だと思った経費は許可なく自由に使ってもらう方法にしました。そこで導入したのが、社員用の法人クレジットカードです。
交通費なども含めて、社員が必要なお金はできる限り、会社のクレジットカードで支払ってもらうようにすれば、後から「精算」をする必要もなくなります。
1.会社のクレジットカードを持たせて必要経費は自由に使える
↓
2.制限の範囲内であれば許可なく何を買っても良い(領収書は後日提出)
↓
3.経費と認められないものを買った場合は「怒られる」。
(もちろん本人に請求などはしないけど「怒られる」)
こういったことは「信用」があるからこそできることです。他の仕事でもそうですが、物事に必要な手続きを「信用」に置き換えると、時間をすごく節約できます。
それに、万が一に備えて上限金額を制限しておけば、仮に信用が裏切られてもダメージは少ないので、信用を使ったスピードアップは意識して活用しています。
例えば、初めて取引する相手だと、入金が確認できてから作業を開始しますが、信用が築けている相手なら、入金が確認できる前に(後日入金される前提で)作業にとりかかった方が、時間的なコストを低くできます。
社員用のクレジットカードとして採用したのは「三井住友Visaビジネスカード」です。導入の背景などは下記のサイトに記載しています。
MFクラウド会計
帳簿付けがすごく楽になる、すごく便利なサービスです。
MFクラウド会計は、家計簿アプリの「マネーフォワード」が作っているビジネス向けの会計ソフトです。クラウド会計なので、ブラウザを使って帳簿のデータを入力します。もちろん、ブラウザで使うのでWindowsでもMacでも関係なし。
個人事業主の時から、ずっと「弥生の青色申告・弥生会計」を使っていたのですが、帳簿付けは意外と時間の取られる作業でした。(特に金額の計算ミスがあったとき)
しかし、MFクラウド会計であればWeb明細からデータを自動的に吸い上げて帳簿に反映してくれるので、計算ミスが起こりません。また、手動で帳簿をつける必要もないので、仕訳もすぐに終わります。
クラウド会計はセキュリティ的にどうなの?と思う人も多いと思います。私なりの考えをまとめるとこんな感じです。
会計データの漏洩について
クートンは非上場の中小企業なので、帳簿の中身や業績が流出しても何ら問題がないです。
会計データの消失について
MFクラウド側でサーバーを冗長化しているので、基本的にデータ消失はありません。また、弥生会計にデータをを戻すことはいつでもできるので、定期的に弥生会計用にデータをエクスポートしておくことで、バックアップになります。
MFクラウドと連携したクレカのID・PASS
クレジットカードのWEB明細を見るためのログインID・PASSは、クレジットカード番号とは何ら関係がないので問題ないです。クレジットカード番号をMFクラウドに登録するなら別ですが、そのような必要はないので安心です。
MFクラウドと連携した銀行のID・PASS
これが一番心配なのですが、現在はワンタイムパスワードが独立して用意されているので、大丈夫だと判断しています。また、銀行の振込限度額を常時引き下げておくことで、最悪の場合の被害額を限定した上で、MFクラウド会計のセキュリティを「信用」するようにしています。
とうことで、すでに銀行のアカウントも含めてすべて連携して、データを自動的に帳簿に反映できるようにしています。
すでに弥生会計もクラウド版を開発していいますし、中小企業の会計ソフトはクラウド化の流れになっていくと思います。
私もずっとセキュリティ面が気になっていたので、2年ほど前から乗り換えのタイミングを伺っていて、freeeとの比較も行っていました。
しかし、今年にマネーフォワード社と住信SBIネット銀行が公式APIと連携するというニュースを見て、今年がクラウド会計ソフトへの乗り換えのタイミングだと判断しました。
MFクラウド会計の利用料金はライトプランで月1,980円・年21,780円、ベーシックプランは月2,980円・年32,780円(税抜)。従来のような買い切り型のソフトと比較すると高く感じますが、税制への対応なども自動的に行われるので、固定費と割りきって導入しました。
社員用のクレジットカードを導入した理由の一つも、MFクラウド会計によって帳簿づけにかかる時間を削減したかったからです。
請求書作成サービス「Misoca(ミソカ)」
Misoca(ミソカ)は、クラウドで請求書の管理と発送代行ができるサービスです。
これまで仕事で請求書を発行することは少なかったのですが、今年は請求書を送付するケースが増えました。請求書自体はテンプレートに沿って作るだけなので簡単です。
しかし、請求書を印刷して封筒に入れて、宛先のラベルを印刷して、切手を貼ってポストに投函という作業が非常にめんどくさい。。。
そこで目をつけたのが「Misoca(ミソカ)」という請求書作成サービスです。クラウド上で請求書を管理できるサービスなのですが、私がフル活用しているのが請求書の発送代行サービスです。
ミソカで作った請求書を、ボタン一つで取引先に郵送してくれます。請求書1通あたりの利用料は180円なのですが、切手代を考えるとわずかな手数料で、印刷から投函までを行ってくれるので、大変便利です。
似たようなサービスに、マネーフォワードが提供するMFクラウド請求書があるのですが、こちらは月額費用が必要なので選びませんでした。
ミソカは基本無料で使えるので、私が支払っているのは請求書の発送時に必要な180円のみです。
社員用のモバイルWi-Fi
MVNOのおかげで月額1,000円以下でモバイルWi-Fiが使えます。
などでも書きましたが、今年から「モバイルシフト」していくということで、外や自宅で仕事ができるようにしています。
外で仕事をする時の通信手段として、モバイルWi-Fiが必要だったので、導入しました。
以前はWi-Fiの通信料が高かったので、導入を躊躇されている中小企業も多いと思います。しかし現在は、MVNO(仮想移動体通信事業者)による格安SIMが使えるので、月間の通信料は1,000円以下です。
導入に必要だった費用は以下の通り。
- SIMフリーのモバイルWi-Fiルーター(NEC製:2万円か3万円ぐらい)
- SIMカード(IIJmio)(Amazonで1,980円)
- 月額料金(3GBプラン)(月額974円)
モバイルWi-Fiルーター本体の費用はやや高いです。これを携帯会社で契約すると、月々の通信料金が高い代わりに、ルーター代が実質無料になったりします。
2年契約の縛りもないので、不要になったらいつでもすぐに停止できます。
https://www.iijmio.jp/hdd/www.iijmio.jp
ちなみに、私自身はiPhoneのテザリングを使って外でネット接続していますが、やはりルーターと違って、テザリングだと繋がらないことも多いです。外で使う機会が多いなら、Wi-Fiルーターを別途用意した方が通信は安定します。
FireShot
FireShotは、Chromeエクステンション・Firefoxアドオンで、画面のスクリーンキャプチャを撮ることができます。
ブログを書いたり、取引先と情報を共有する際に、スクリーンショットを撮影して画像にしたり、PDFにして提出する機会は多いです。
以前は別のエクステンションを使っていたのですが、FireShotが一番使いやすいので、採用しました。個人的に導入したものなのですが、うちでは社員も使っているので、社内で使っていることになっています。
もちろん利用は無料なので、ChromeやFirefoxなどのブラウザを使っている人なら、すぐに導入できます。
Windows10
夏ごろにWindows10がリリースされたので、アップデートしました。大きな不具合もないですし、起動スピードが早くなったとの声も聞くので、今回のWindowsはアップデートして間違いないかなと。
ソフトの互換性やセキュリティの問題で、まだWindows XPを使っている中小企業も多いと思います。しかし、コンピューター作業が多い今の時代に旧式のWindowsを使い続けるのはどうなのかなと。。。
Windows XPは2014年でサポートが終了しているので、セキュリティ的にも乗り換えが推奨されます。
個人的に、Windows8は残念な感じでしたが、10は非常に使いやすいので、おすすめです。
Wordpress(ワードプレス)
ようやく業界標準のWordpress(通称:WP)に移行しはじめました。
クートンは、さまざまな情報サイトを運営しています。これまで、それらのサイトはMovable Type(通称:MT)というソフトで運用していました。
理由としては、
- 導入当初はMTの方がSEOに強いと言われていた
- MTの方が複数のサイトを一元管理しやすい
などの理由です。
当時はMTとWPの2強と言われていたのですが、時代は変わり現在は完全にWordpressが業界標準になっています。Wordpressの方がプラグインが充実しており、動的な処理も行いやすいことから、移行を決めました。
これからの新規サイトはもちろん、2016年は既存のサイトも少しずつ、MTからWPへ移行していく予定です。
以上8つが、2015年に会社で導入したアイテムです。
個人的に導入したもの(6アイテム)
私は使うアプリをコロコロ変えるタイプではないのですが、今年は個人でも新しいアプリやソフトの導入が多かったです。
Todoist
デスクトップでもモバイルでも、タスクツールが無料で使えます。
これまで、日々の予定やタスク管理は、Googleカレンダーのタスク機能で行っていました。しかし、毎日・毎週定期的におこなう作業の入力が面倒だったので、タスク管理専用のツール「Todoist」を導入しました。
使ってみるとこれがとてつもなく使いやすく、キーボードショートカットを使って、サクサクとタスクが入力できます。
日程を「月末」と入力すると30日 or 31日に、「毎週土曜日」と入力すると自動的にリマインダがセットされ、毎週土曜日にタスクが設定されるという賢い機能が、Todoistには搭載されています。
基本無料で使えるので、無料版でも全然問題ないのですが、あまりに便利だったので私は有料版に切り替えました。
有料版は年間3,399円です。
- タスクにコメントをつけたりファイル添付ができる
- 終了済みのタスクを閲覧できる
- タスクの検索ができる
などの機能が使いたかったので、有料版にアップグレードしました。
Googleカレンダー(アプリ)
Googleが公式にGoogleカレンダーのiPhoneアプリをリリースしたので、乗り換えました。
以前からデスクトップではGoogleカレンダーを使っていたのですが、モバイル閲覧ではDAYLINEというアプリを使っていました。(DAYLINEはGogleカレンダーとGoogleタスクを使いやすい形で表示してくれるアプリ)
しかし、タスク管理アプリに前述の「Todoist」を使うようになったので、カレンダーアプリとタスクアプリを分けることにしました。
ただのカレンダーアプリなので、特におすすめというわけではありません。
Captio
メモを素早く自分のメールアドレスに送信できるアプリ。
私はiPhoneでスケジュールやタスクを管理しています。しかし、いくらGoogleカレンダーやTodoistを導入しても、予定を1つ入力するのに30秒ぐらい時間がかかってしまい、場合によってはその場にいる相手を待たせてしまうことになります。
そこで発見したのがCaptioというアプリ。このアプリはリブセンスの村上社長が使っていると、インタビューで語っていたのを見て知りました。
機能はすごくシンプルです。
- アプリの立ち上がりが超速い
- サクサクとメモを入力
- ワンタップで自分のメールアドレスにメモした内容を送信
必要なメモやスケジュールをCaptioにササッと入力して、自分のメールアドレスにその内容を送信しておきます。後で時間のあるときに、メールボックスを確認して、カレンダーやタスクに予定を入力するという流れです。
Captioは、通信環境がない場所では一時的にメモを溜めて、後で通信が繋がった時に自動的に送信してくれる機能もあるので、海外でも重宝します。
シンプルなのにこれほど使えるアプリはそうありません。
Adobe Acrobat DC
PDFを編集する機会が増えてきたので、バグの多かったAcrobat PRO Xから、最新版のAdobe Acrobat DC(Document Cloud)に切り替えました。Adobe製品は現在、月額・年額課金に移行していますが、Acrobatに関しては永久ライセンスの買い切り版があったので、そちらを選択しました。
永久ライセンスなので、これからはずっと最新版のAcrobat Proが使えるのですが、買い切り版は46,580円+税とかなり高かったです。。。
今年は一部のメンバーにCreative Cloudを導入するなど、Adobeソフトウェアへの課金もかなり増えました。
Googleフォト
こちらの記事でも取り上げましたが、
Googleフォトというアプリで写真を管理するようにしました。
無料で使えて容量無制限なので、撮影した写真はGoogleフォトで管理しています。iPhoneのストレージ容量も削減できるので、今年の一押しアプリの一つ。
プラスEX
今年は出張に行く機会が増えました。
これまでは「みどりの窓口」で新幹線のチケットを買っていましたが、JR東海が発行しているプラスEXを導入し、今はネット予約で座席を確保しています。改札も、Suicaのようなカードを使ってタッチするだけなので非常に楽です。
プラスEXは年会費がかかるサービスなのですが、新幹線の乗車料金が少し安くなるので、年間数回、新幹線を利用する方にとっては金額的なメリットがあります。
デメリットは、大阪より西側の新幹線が予約できないこと。西側に行くためにはJR西日本が提供している「EX予約」を使う必要があります。
以上が2015年の私が個人で導入した6アイテムです。
いかがでしたか?
振り返ってみると今年は作業環境が大きく変わったことに気づきました。
今回紹介したMFクラウド会計をはじめ、これからは自動化や学習機能を持つ便利なツールがどんどん登場してくると思います。
乗り換えのタイミングも重要ですが、便利なツールを導入することで、これまで時間のかかっていた作業が驚くほど早くできるようになることもあります。
来年も色々な所にアンテナを張って、便利なツールはどんどん導入していきたいと思っているので、また良いツールがあれば共有したいと思います。
(書いた人:川原裕也)
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