一人暮らしをする上で、大きな買い物になるのが「冷蔵庫」。
家電量販店に行くと「一人暮らし向けの冷蔵庫」として、サイズも容量も値段も異なる様々な冷蔵庫が売られており、何を買えば良いかかなり悩みます。
冷蔵庫を選ぶ際、特に重要視されるのが「容量」のこと。どれだけ食材が入るのか?を知る上で分かりやすい指標になります。
容量は「自炊(自宅で料理をする)かどうか?」で異なりますが、今回は「一人暮らしを切っ掛けに自炊を始めたい」という人向けに「どのような冷蔵庫を選べば使いやすいのか?」というポイントをまとめてみました。
自炊向けの冷蔵庫の容量は?
40~50L:1ドア&冷やすだけ
▲例:アビテラックス 46L 1ドア冷蔵庫
1ドアのほぼ冷蔵室。上部の一角に冷凍室があります。
「とりあえず飲み物を冷やせれば良い、アイスが2~3個入れば更に良い」と思う人向け。
値段は約15,000円~30,000円。
事務所の備え付けの冷蔵庫は容量47Lなのですが、ほぼ「ペットボトルや缶のお茶やジュースを冷やしておく」という使い方しかしていません。
80~110L:2ドア&冷凍庫は狭い
▲ユーイングUR-D90H-W 88L(冷蔵室:60L、冷凍室:28L)
▲ハイアールJR-N106H(S) 106L(冷蔵室:73L、冷凍室:33L)
容量が80Lを越えると、冷蔵室と冷凍室が分かれた2ドアの冷蔵庫が登場します。
冷凍庫は棚2つ置けるので、収納力もアップしています。
入れられる容量が限られている為「自炊や買い置きは、あまりしない」という人向け。
50L以上、100L未満の冷蔵庫は数が少なく、選べる商品も限られます。
値段は20,000円が相場。
100~130L未満:自炊する人が考え始める容量
▲シャープSJ-H12Y-S 118L(冷蔵室:90L、冷凍室:28L)
幅480mm×高さ1160mm×奥行525mm×質量30 kg
冷蔵庫の棚が3つ、卵の収納スペースの下に調味料の置き場が増えました。
「自炊はする。買い物は週1~2回は行く」という人は、やはりこれくらいの容量は欲しい所ですね。
冷蔵室の容量は増えましたが、冷凍室の容量はほとんど変わらないので「アイスクリームは箱買したい」「冷凍食品は良く買う」「作り置きした料理を冷凍保存したい」という人には、物足りなさを感じやすいと思います。
100~130Lも同様に商品数は少なめ。
以前は「一人暮らしの冷蔵庫は100Lちょっとでも大丈夫」と良く言われていたのですが、最近は節約・健康志向の影響もあり、もうワンサイズ上の容量の冷蔵庫が主流になっています。
値段は約25,000円。
130~150L未満:自炊をする人が買う容量の主流
▲シャープ SJ-D14A-W 137L(冷蔵室:91L、冷凍室:46L)
幅480mm×奥行590mm×高さ1,125mm×質量35 kg
冷凍室の容量が1.5倍増しに大きくなり、上が冷蔵室、下が冷凍室(引き出し式)がほとんどです。
シャープだと「右開き・左開き、どちらもOK」という冷蔵庫も取り扱っています。
「冷凍食品やアイスクリームなども、充分に入る容量が欲しい」という場合は、140L前後の冷凍庫が向いています。
値段は35,000円~45,000円。
ちなみに私が実際に使っている冷蔵庫の容量は138L。
週に1~2回の買い物、基本は作り置き、という自炊生活をしていますが、不便さはあまり感じません。
冷蔵庫に入る量を考えず、一度に大量買いした時は、食材でぎゅうぎゅう詰めになってしまいますが、当日中の料理で、ある程度は使ってしまえば、何とでもなります。
一人暮らしを始めた後、友だちの部屋を訪れて、容量の大きい冷蔵庫を見た時は「もう少し大きいのを買えば良かったな」とも後悔しましたが、容量に応じた買い物や料理に慣れれば問題はありませんでした。
150L~200L未満:自炊派の主流2。備蓄も充分
▲パナソニック NR-B178W-S 168L(冷蔵室:124L、冷凍室:44L)
幅480mm×奥行586mm×高さ1,293mm×質量38kg
冷蔵室の容量が増えて、棚も4段まで設置が可能。冷凍庫はほぼ変化なし。
まとめ買いや作りおきだけではなく「備蓄」も合わせて考えられる容量です。
一人暮らしをしている私の友だちでは、これくらいの容量の冷蔵庫を使っている人が多かったように思います。
値段は50,000円~55,000円。
200L以上;半同棲・二人暮らしも視野に入る
▲日立 R-23FA S 225L(冷蔵室:172L、冷凍室:53L)
幅540mm×奥行650mm×高さ1585mm×質量49 kg
▲シャープ SJ-PD27B-W 271L(冷蔵室:169L、冷凍室:102L)
冷蔵室、冷凍室ともに容量がアップ。
容量が200L以上になると「チルドケース」や「野菜室」など、冷蔵庫のちょっと良い機能が付き始めます。
2人用にも対応し始める容量になり、将来的に同棲や結婚をした時も引き続き使えます。
ただし冷蔵庫を買い換える年数は「9~10年間」なので、一人暮らし歴が長い人は、結婚を切っ掛けに買い換えた方が良さげですね。
値段は55,000円~100,000円。
冷蔵庫を選ぶ時の注意点
一人暮らしの冷蔵庫は容量が小さく、ファミリー向けの大型冷蔵庫のような「スゴい機能」は付いていません。
その為、
- 容量
- 置き場所のサイズ
- 年間の電気代
- ドアは右開き?左開き?
- 電子レンジを上に置くかどうか?
置き場所のサイズ
部屋の内覧の際には、冷蔵庫を設置する場所の幅、奥行きの寸法を図っておきましょう。
一人暮らしの冷蔵庫程度の大きさであれば、冷蔵庫を置くスペースに問題なく収まってくれるので、それほど気にする必要はありません。
(※ファミリー向けの大容量冷蔵庫を買おうとしている人は別ですが……)
ただし冷蔵庫横に「収納ボックス」や「サイドラック」を使った、すきま収納を考えている場合は、冷蔵庫や収納用品の大きさによっては、入り切らない可能性があります。冷蔵庫を設置した後に、空いたスペースに応じた収納を考えることをおすすめします。
ドアは右開き?左開き?
冷蔵庫のドアは基本的に左右どちらかに開く「片開き」です。
割合は「左開き:右開き=1:2」で右開きの方が多く、観音開きタイプは一人暮らし向けの冷蔵庫にはありません。
ちなみに、右からも左からも開けられる「左右両開き」があるのは、シャープの冷蔵庫だけ。
台所側、部屋側のどちらからでも開けやすく、引っ越しの際も柔軟に対応してくれます。
既に住む予定の部屋の間取りが分かっていれば「台所と居間のどちらに向いている方が便利か?」を考えて、ドアが開く向きを選びましょう。
台所向きだと料理の際に食材や調味料が取り出しやすい、居間向きだとお茶やアイスが取り出しやすいという、それぞれにメリットがあります。
年間の電気代
電気使用量が多い家電のNO.1は「冷蔵庫」。
年中動きっぱなしで食材を冷やす為、どうしても使用量が多くなってしまうのです。
基本的に容量の大きい冷蔵庫になればなるほど、高性能な省エネ機能が付いている為、電気代が安くなる傾向にあります。
同程度の容量の冷蔵庫が、選択の候補に複数ある場合は、各冷蔵庫の説明書きに記載された
- 年間消費電力量(50/60Hz)
- 年間電気代目安
- 省エネ多段階評価
- 省エネ基準達成率
の4項目を比較してみて、最も省エネになる商品を選ぶのも一つの方法です。
電子レンジを上に置くかどうか?
収納スペースの関係で「冷蔵庫の上に電子レンジを置きたい」という人は多いです。
その際に気を付けたいのが「冷蔵庫の天板の耐熱性の重さ」と「使用時の電子レンジの高さ」の2点です。
【冷蔵庫の天板の耐熱性の重さ】
電子レンジを冷蔵庫の上に乗せたい場合は、耐熱100℃、耐荷重30kgの「電子レンジOK」な冷蔵庫を選びます。
オーブンやグリル機能を使う場合は、ちょっと心配なので、
- タイルを敷き詰める
- 100円ショップで売られているミニすのこを2枚敷く
- 冷蔵庫の天板の大きさに合わせてカットした厚めの板を敷く
- ミニラックの上に乗せる
など「冷蔵庫と電子レンジの間を開ける」という工夫をしてみると安心です。
【使用時の電子レンジの高さ】
容量が200L以上の冷蔵庫になると、長さが150cm超えをしてしまい、その上に電子レンジを置こうと思うと、特に背の低い女性はかなり利用に苦労します。
私が使っている冷蔵庫の容量が138Lで、その上に電子レンジを置くと、顔の正面にちょうど電子レンジが来るようになっています。
家電量販店で冷蔵庫を見る場合「天板の上に電子レンジを置いた場合」のシミュレーションをしてみると分かりやすいです。
ちなみに、電子レンジの上にオーブントースターを置くような収納ラック(画像参照)を買う場合、冷蔵庫のサイズが小さくてラックが乗り切らない可能性がある(実体験)ので、サイズには要注意です。
レンジ上ラック 伸縮タイプ(ブラン 4060) - ニトリネット
いかがでしたか?
他の家電製品とは違い、一度買うとなかなか買い替えが難しいのが冷蔵庫の辛いところ。
どれを買えば良いか悩んだ時は、とりあえず大は小を兼ねる精神で「容量が大きいもの」を選んでおけば大丈夫。容量小さめを買って、食材をぎゅうぎゅう詰めにすると、冷蔵効率が悪くなり、早く食品が痛む原因になってしまいます。
使いやすい冷蔵庫を選べるかどうかは、今後の一人暮らしの生活を大きく左右すると言っても過言ではありません。
販売員さんと相談しながら、良い物を手に入れてみて下さいね。
(書いた人:昼時かをる)