日本最大のレシピ検索サイト「クックパッド」。
多くの方が、何か料理を作りたいと思った時に一番最初に見るページだと思います。私も最近自炊を頑張っているのですが、「何を作ろうか?」、「あれを作りたい!」いずれの場合もクックパッドを見ながら考えます。
クックパッドの決算資料を見ると、日本の料理事情がいろいろ見えてきたので紹介します。
数字で見るクックパッドの「へぇ~」
プレミアム会員数は130万人
クックパッドには130万人のプレミアム会員がいます。
掲載レシピは無料で閲覧できますが、月額280円+税を支払うことでプレミアム会員になることができます。プレミアム会員になると、より詳細なレシピ検索ができたり、人気のレシピがすぐにわかるといった特典が使えます。
現在のクックパッドの売上の6割がプレミアム会員からの課金収入です。130万人のユーザーが300円を支払うと毎月39億円、年間にして468億円の売上になります。まさにネットサービスだからこそできる、ユーザーにやさしいビジネスですね。
似たようなビジネスモデルのサービスに「食べログ」があります。食べログとの比較は後述します。
モバイルの利用者が6割以上
現在のクックパッドのアクセスは、モバイルからの利用が6割以上となっています。パソコンで料理のレシピを探しているのではなく、スマートフォンを使って、みなさんレシピをチェックしたり、投稿をしていることがわかります。おそらく、台所で料理をしながらスマホでレシピをチェックしているのだと思います。
モバイルのアクセス比率はそれぞれ、
- スマートフォン(ブラウザ):40.3%
- スマートフォン(アプリ):20.4%
- ガラケー:2.4%
です。
パソコンからの利用ユーザー数はあまり伸びていませんが、スマホ経由の伸びが著しいです。ガラケーは減ってますね。ちなみに、タブレット経由のアクセスがどの程度なのかはこの資料からはわかりませんでした。
女性の利用が8割以上
次に、利用者属性を見てみます。
女性の利用者が圧倒的に多く、8割以上を越えています。男性はほとんどクックパッドを見ていないというか、そもそも料理をしていないのでしょうか・・・
女性の年齢別で見ると、20代、30代がメインのユーザーとなっています。年齢が上がるに従ってインターネットの利用率自体が下がる傾向にあるので、この比率はおおかた予想どおりの数字だなと思いました。
ちなみに、2012年にクックパッドとYahoo!JAPANは業務提携を行っています。
あまり目立たないのですが、この提携によって、Yahoo!のトップページの左側メニューに、新たにクックパッドへのリンクが追加されました。
クックパッドは女性ユーザーが8割を占めている一方で、男性でその存在を知らない人はまだまだ多く、男性の利用者数も少ないです。そこで、男性ユーザーを多く抱えているYahoo!JAPANからの集客によって、男性ユーザーにアプローチしようという意図があったのだと思います。
食べログとの比較
クックパッドと同じく、掲載情報を無料で提供し、一部のプレミアム会員から課金収入を得ているサイトに、「食べログ」があります。プレミアム会費が月額300円という点でも、クックパッドと食べログは同じです。
以前、「たったこれだけ?月額300円の食べログプレミアム会員にメリットはあるのか?」という記事を書きましたが、そこで取り上げた資料を元に比較してみると、以下のようになります。
【月間利用者数】
- クックパッド:4,404万人
- 食べログ:5,748万人
【有料会員数】
- クックパッド:130万人
- 食べログ:40万人
【有料会員比率】
- クックパッド:2.95%
- 食べログ:0.69%
月間利用者数では、食べログの方が上回っています。
食べログは、PC経由では男性の利用率が56%です。飲食店の検索サイトなので、クックパッドと比較して、男性の利用者が多いことも、利用者数が上回っている理由の一つだと思います。
一方で、有料会員数はクックパッドが食べログの3倍以上です。クックパッドの方が有料会員の特典(メリット)が大きいというのが大きな理由だと思いますが、これだけの差が付いているのは驚きました。
ちなみに私は食べログの有料会員になっていますが、クックパッドには課金していません。男性の私からすると、レシピの有料サービスに対して、女性が積極的な課金をしていることは、ちょっと意外でした。
基本情報を無料で公開しているため、課金比率は両者ともに3%以下となっています。ネットビジネスでは、課金ユーザーが3%以下でも、十分利益が出せる構造になっています。例えば、ニコニコ動画なんかも有料会員比率は6%以下だったりします。
いかがでしたか?
女性と話をしていると、クックパッドは当たり前のように知っているのですが、男性はまだまだその存在すら知らない人が多いのかもしれません。私も積極的に利用しているかというと、「?」な状態です。やはり「料理する人のためのサイト」という意味では、私はクックパッドの対象属性ではないのかもしれません。
しかし、月間利用者数は4,400万人を越えており、そのうち130万人の人が課金をしてクックパッドを活用しているわけです。一見、自分とは遠い存在のように思えても、知らないところには世界が広がっているのだなと、調べてみて感じました。
■クックパッドの謎が解ける?
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(書いた人:川原裕也)
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