ふるさと納税とは、自分の出身地や好きな自治体に寄付をすると、寄付金額が2,000円を超える場合、所得税、住民税の一部控除の適用が受けられる制度です。
約半分の自治体が寄付をしてくれた人に特典をつけており、各地の特産品を目当てにした使用者が増えています。
「名前は知っているけど、どういうものか良く分からない」という人向けに、ふるさと納税を利用するメリットや利用方法をまとめてみました。
ふるさと納税の特徴
どの自治体に寄付してもOK
ふるさと納税は複数の自治体に行なうことも可能です。
自分の故郷や現在住んでいる地域、旅行先で印象に残っている所など自由に選べます。
「特産品や特典がもらえるのは年1回」という自治体が大半なので「複数の自治体に寄付をして各地域の特産品を受け取る」という使い方をする人も少なくありません。
北海道上士幌町のように年の回数制限がない所もあります。
ちなみに「県内、市町村内の在住者はふるさと納税による特典の対象外」という所もあるので、地元の特産品目当てにふるさと納税を利用する時は注意して下さい。
特産品・特典が魅力的
一部の自治体ではふるさと納税をすると、地域の特産品や特典がもらえます。
有名なのは鳥取県の「松葉ガニ進呈」、北海道の「登別産毛ガニ進呈」、宮崎県の「宮崎牛」などのグルメでしょうか。配送先を指定することで御歳暮にも利用できます。
珍しい所では広島県福山市の「福山ミステリー文学新人賞最新受賞作」、北海道新冠町の「オグリキャップ写真集」、和歌山県有田市の「有田市長お薦め本3冊」、岐阜県各務原市の「魔界戦記ディスガイア4のフィギュアセット」などもあります。特産品や特典は毎年変わることが多いので「今年は何がもらえるのだろう?」とチェックしてみると以外な特産品に出会えるかもしれません。
ちなみに別冊宝島2260号「ふるさと納税完全ランキング2015」によると、寄付金額のTop5の自治体は以下の通り。
1位:鳥取県
2位:鳥取県米子市
3位:佐賀県玄海町
4位:宮崎県綾町
5位:北海道上士幌町
「選べる特産品が多い」「食の安全性が高い」「年の回数制限が無い」などが上位の理由に挙げられています。
所得税と住民税の一部控除が受けられる=節税できる
ふるさと納税をすると、今年の所得税と翌年度の住民税の一部が控除されます。
所得税や住民税を多く支払っている人ほど控除額が増えます。
所得税と住民税の控除額は、それぞれ2,000円を超える部分が対象になるので、寄付金額は実質2,000円で済みます。
例えば寄付金額が3万円の場合、控除額は2万8,000円になります。
要は2,000円を負担することで、自分の応援したい自治体の支援ができたり、豪華な特産品がもらえたりする訳です。
全額控除される寄付金額を調べてぎりぎりの金額まで寄付をすれば、節税対策に効果的です。
「自分はいくらくらい寄付をすれば良いのか?」は迷う所ですが、私の場合(独身・収入が200万円)は8,000円が目安の寄付金額になります。だいたい住民税の1割程度。
年収、寄付金額、家族構成、その他の控除(生命保険料、住宅ローン、医療費)によって自己負担額や税の控除金額は変わります。
控除額の計算方法は以下の通りです。
【寄付控除対象額】①+②+③
【住民控除税】①+②
①基本分……(寄付金-2,000円)×10%
②特例分……(寄付金-2,000円)×(90%-所得税率※1)
【所得税】
③(寄付金-2,000円)、(所得控除額×所得税率※1が軽減)
※1:0~40%
利用方法
1.寄付先を選ぶ
ふるさと納税は全国各地の自治体が実施しています。
「特典」「寄付したお金の使い道」「寄付方法」は、各自治体によって異なるので、申し込む前にふるさと納税に関するサイトで確認しておくと良いです。
2.申し込みをする
「(自治体名) ふるさと納税」で検索すれば該当サイトが出てくるので、申し込みフォームまたは申込書を印刷して、寄付の申し込みをします。
3.寄付をする
寄付方法は「郵便振替、銀行振込、クレジットカード払い、現金書留、直接持っていく」から選べます。
クレジットカード払いが可能であれば、寄付金額に応じたポイントが貯まってお得です。
4.証明書が送られてくる
所得税、住民税の一部控除を受けるには、寄付した翌年に確定申告が必要なので、寄付後に送られてくる「証明書」は必ず保管して下さい。
5.確定申告をする
今年の1月1日から12月31日までの寄付について、翌年の2月中旬から3月15日までに確定申告を行ないます。
会社勤めのサラリーマンでも、ふるさと納税に関する確定申告が必要です。確定申告をすれば後は税務署で処理してくれるので、会社へ伝える必要性は特にありません。
いかがでしたか?
ふるさと納税は「実質2,000円で各地域の特産品がもらえる」「節税対策になる」だけではなく「自分がお世話になった自治体に支援をしたい」「今住んでいる所に、多くの住民税を支払いたくない」「自分の支払った税金の使い道は自分で決めたい」という人にも便利に活用できる制度だと思います。
自分で手続きをする必要がある確定申告に関して面倒に思いがちですが、それでも利用してみる価値は大きいと思います。
現在、ふるさと納税をより利用しやすくする為に「確定申告が要らない」などの議論がされている所なので、今後ますます誰でも気軽に寄付ができるようになるはずです。
ちなみに所得がない人(専業主婦やアルバイトやパートをしていない学生など)がふるさと納税を利用しても節税効果は全くないので、利用の際は気を付けて下さい。
(書いた人:昼時かをる)
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