ネットの話題を見ていると、最近やたらと「メディア」の名前がついたサービスやアプリを見る機会が増えているように思います。
Web業界で仕事をしていたり、Webマーケティングをしたりする上で押さえておきたい、最近良く聞く「○○メディア」をまとめてみました。
ソーシャルメディア
ソーシャルメディアとは「ネット上でユーザー同士が情報を交換することで成り立っているメディア」のこと。
情報が公開されていることで、会話や繋がりが可視化。人々の関心や興味、今話題になっていることなどが簡単にすぐ分かるので、消費者行動や企業のマーケティングに大きな影響を与えました。
「Twitterやfacebookで自社の商品を紹介しよう」「ブログを作成して会社ををPRしよう」などは、ソーシャルメディアの活用や戦略として言われる代表的な例です。
誰でも閲覧できる「オープンサービス」と、会員制や招待制で閲覧できる人が限定される「SNS(ソーシャルネットワークサービス)」の2種類に分かれます。
【種類別ソーシャルメディアの代表例】
- 電子掲示板:2ちゃんねる、ミルクカフェ
- ブログ:はてなブログ、Amebaブログ、livedoorブログ、FCブログ、WordPress、Movable Typeなど
- ナレッジコミュニティ(知識共同体):Wikipedia、ニコニコ大百科、NAVERまとめ、nanapi
- SNS……Twitter、facebook、Google+、mixi、GREE
- 画像または動画の共有サイト……YouTube、ニコニコ動画、pixiv、Ustream
- ソーシャルブックマーク……はてなブックマーク
ちなみにブログやニュースサイトの記事についている「ソーシャルボタン」は、SNSやブックマークに情報を発信するために設置されるものです。
【有名なソーシャルボタン】
- Twitter……ツイートボタン、フォローボタン
- facebook……いいね!ボタン
- LINE……LINEで送るボタン
- はてな……はてなブックマーク(はてブ)ボタン、はてなスターボタン
- Google……+1ボタン
- Tumblr(タンブラー)……Tumblr共有ボタン
- mixi……イイネ!ボタン
- GREE……いいね!ボタン
バイラルメディア
2014年から爆発的に増えた「バイラルメディア」とは、インパクトが強くて話題性のある動画や画像(いわゆるバズる=SNSなどを通して大量に拡散されるコンテンツ)を中心に記事が構成されているブログメディアのこと。
記事がTwitterやfacebookなどで大量拡散されることで、短期間に非常に多くのトラフィックやPV数を集められるのが特徴です。
情報の拡散する様子がウイルス感染に似ていることから「Viral(バイラル、意味:ウイルス性の)」という名前がついています。
バイラルメディアの有名所としては「Spotlight」「BUZZ HOUSE」「BuzzNews」があります。
【Spotlight(スポットライト)】
サイバーエージェントが運営。
【BUZZ HOUSE(バズハウス)】
サイバーエージェントの子会社「株式会社WAVEST(ウェイベスト)」が運営。
【BuzzNews(バズニュース)】
記事タイトルを見てもSEOを意識したタイトルはほとんど付けられておらず、ついついクリックしたくなるようなキャッチーなタイトルが多く、コンテンツやSEOを重視した情報サイトとは一線を画する内容になっています。
最近バイラルメディアは乱立気味で「人気の画像や動画について書かれた記事内容が他のバイラルメディアと被っている」ということも多々見かけられます。
以前の2chまとめサイトと同じような状態とも言えますが、元々2chまとめサイトや個人ブログがニュースメディア化して、バイラルメディアとして機能している場合も少なくありません。
ちなみに同じ「バイラル」が名前についたバイラルマーケティングは「口コミを利用して、商品紹介やユーザー獲得をするマーケティング方法」のこと。
ECサイトの商品ページにある「この商品を友達にすすめる」や「友達紹介による報酬制度」、「有名人のブログを使った商品宣伝」などが事例として挙げられます。
ペイドメディア
ペイドメディア(paid media)とは、企業が費用を支払うことで広告を掲載できる従来型のメディアのこと。
「料金を支払って利用するメディア」という意味です。
マス4媒体(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)、ネットだとリスティング広告やアフィリエイト広告などが挙げられます。
費用はかかりますが、短期間で不特定多数のユーザーにPRできるのがメリットです。
オウンドメディア
オウンドメディアとは「企業やブランドが自社で所有するメディア。企業がユーザーに向けて発信するメディア」のこと。own(=所有する)から来ています。
インターネットの自社サイトやECサイトの他、広報誌やパンフレット、メールマガジンもオウンドメディアに入ります。
「オウンドメディア」と言われる場合、単純に自社サイトという意味ではなく「直接的に企業の利益・収益に結びつかないが、企業やブランド価値を高める為に運営されている役立ち情報サイト」という印象があります。
オウンドメディアは非常に多くありますが「あ、これって有名企業が運営してたんだ」と思った情報、ニュースサイトを4つ紹介します。
【Lidea(リディア)】
日用品メーカー大手のライオン株式会社が運営する、暮らしに役立つ生活情報を提供するオウンドメディア。
暮らしのマイスターが快適な生活に役立つ暮らしのアイディアを紹介したり、掃除や洗濯など日常生活に関する疑問に答えるコーナーがあったりと「暮らし」を軸にしたコンテンツを幅広く展開しています。
【ニキペディア】
ニキビケア用品専門のブランド「プロアクティブ」が有名なガシー・レンカー・ジャパン社の運営するニキビの情報サイト。
ニキビに関するキーワードで検索すると、結構な割合でニキペディアの記事が上位表示されていることが多いです。
【FASHION HEADLINE】
FASHION HEADLINEは(ファッションヘッドライン)は、日本の最新ファッションの紹介に特化したニュースメディアです。
株式会社ファッションヘッドラインが運営をしていますが、三越伊勢丹と株式会社イードの共同出資によって設立された企業なので「三越伊勢丹のオウンドメディア」とも言えます。
ただし三越伊勢丹以外の百貨店(高島屋や阪急百貨店など)に関する記事も多く掲載するなど「内容が三越伊勢丹だけに偏ってはいない、純粋なファッション系のニュースサイト」の面が強いです。
【Startup Ideas & Framework】
Web系に特化した転職サイト「Find Job!」が提供するStartup Ideas & Frameworkは、Web系のスタートアップに必要な知識が分かるサイトです。
記事を読んでも転職について書かれた記事が全く見付からず、右の広告バナーや最下層にひっそり載せられた求人情報を見て「あぁFind Job!が運営しているのか」と分かる程度のさり気なさです。
Find Job!やStartup Ideas & Frameworkは、mixi(の子会社株式会社ミクシィ・リクルートメント)が運営しています。
アーンドメディア
アーンドメディア(earned media)は、商品やサービスを口コミで紹介するブログやSNSのこと。
「ユーザーの信用や評判を得るメディア」という意味です。
後で紹介するCGM(コンシューマー・ジェネレイテッド・メディア)が、アーンドメディアに当たります。また「口コミを利用する」という特性上、バイラルマーケティングにも活用されます。
商品やサービスの認知度向上や売上増加の効果が見込まれますが、ユーザー主導になるので企業ではコントロールが難しく批判やデマが起きた時の対処が大変というデメリットもあります。
トリプルメディア
企業マーケティングで重要になる「ペイドメディア」「オウンドメディア」「アーンドメディア」の3つをまとめた言い方。
マーケティングでは「商品やサービスをペイドメディアでユーザーに露出→オウンドメディアに誘導→提供した情報を元にアーンドメディアで口コミを促進する」という流れが一般的です。
CGM(コンシューマー・ジェネレイテッド・メディア)
CGMとはインターネットを利用してユーザーが内容を形成するメディアのこと。
個人の発信する情報をデータベース化したり、メディア化したりしたWebサイトを言います。
「消費者生計メディア」などと翻訳されますが、略称のOGMで使われることが多いです。
名前は一般的ではありませんが、私たちが普段から接しているメディアの大半はOMGです。
【OGMの代表例】
- 口コミサイト……価格コム、食べログ、ぐるなび、アットコスメ
- 質問系サイト……Yahoo!知恵袋、OKWave(=教えて!goo)、人力検索はてな
- キュレーションサイト……NAVERまとめ、nanapi、Togetter、mery
- 動画共有サイト……YouTube、ニコニコ動画
- イラスト・マンガ投稿サイト……pixiv、TINAMI、マンガボックスインディース
- 小説投稿サイト……小説家になろう、魔法のiらんど、野いちご
キュレーションメディア
キュレーションメディアとは、インターネット上の情報を収集・編集して、新たな切り口でユーザーに公開するメディアのこと。
いわゆる「まとめサイト」ですが、機械的に内容を抽出する場合はキュレーターではなく「アクリゲーション」とも言われます。
キュレーションサイト……NAVERまとめ、nanapi、はてなブックマーク、Togetter、mery、iemo
キュレーションサービス……Gunosy、smartnews、Antenna
いかがでしたか?
▲近年の○○メディアの人気度
話題の○○メディアをまとめてみましたが、「コンテンツSEO(質の高いオリジナルコンテンツを作成・公開することで、GoogleやYahoo!などの検索エンジンからのアクセスを多くする手法)」という言葉が象徴するように、近年の傾向を見るとSEOによるGoogleや検索重視ではなく「ユーザーライクなコンテンツ(内容)重視」に意識が高まっていることが分かります。
また最近になって大手企業が人気のソーシャルメディアやキュレーションサイトを買収することも目立ってきています。(例:KDDIがnanapi、DeNAがiemoとMERYを買収など)
現在は個人やそれほど規模が大きくない企業が「何とかネットだけで喰っていける」という状態になっていますが、今後に大手企業が超強力なブランド名や莫大な資本を使って進出してきた時「コンテンツで勝負している個人や零細・中小企業が運営するサイトはどう生き残っていくか?」を良く考える必要がありそうです。
(書いた人:昼時かをる)
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